2020年12月16日水曜日

本:『雨降る森の犬』馳星周(集英社)

『雨降る森の犬』馳星周(集英社)
『少年と犬』で直木賞を受賞した馳星周。「本の雑誌」関係者ということで、なんとなく親近感をいただいているのですが、彼の作品を読む機会が…。最近やっと藤原不比等一族の物語を読んだのです。ということで、現代日本を舞台にした小説に挑戦しました。 さくっと読めましたが、登場人物にもっと突っ込んで欲しいかなぁ…と思いました。「犬」というテーマは良いと思うのです。犬と登場人物の関係はとても素敵、特に主人公の女の子とも関係は。でも人間が、特に「女性」が…かなぁ。同じテーマを女性作家が書いたら、多分違った女性人物造形になるでしょうね。思春期の女の子の持つ純粋さと狡さ、大人の女性の持つ曖昧さと分別と狡猾さ…。それを感じたいとも思いました。 森のシーンは、湿潤な日本の森の美しさ、生き物の神秘性を大いに感じました。そこが一番の魅力でしょう。

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