2013年11月30日土曜日

コンサート:「パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団」 11月23日(土・祝) しらかわホール 15:00 ~

「パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団」
プログラム
ベートーヴェン
歌劇「フィデリオ」序曲 op.72b
交響曲第4番 変ロ長調 op.60
交響曲第3番 変ホ長調 op.55「英雄」

ブラームス:ハンガリー舞曲第1番 
シベリウス:かなしきワルツ

音の響き、混ざり合い具合、そしてメリハリのついた勢い、とっても素敵でした。弦楽器は勿論、管楽器の響きにはうっとり。特に弱音の美しさは流石です。音が立体的に響いてくる心地よさは、ナマ演奏ならではのものです。こういう演奏を聴くと、また次のコンサートを!と思います。
ところで、ベートヴェンプログラムの場合、アンコール曲って?何になるのでしょうねぇ…。今回はブラームスのハンガリー舞曲-これはアンコールの定番ですけど-とシベリウスでした。もし、アンコールのベートーベンで行きたいと思ったら???どんな曲が有るのでしょうか???

コンサート:「マグダレーナ・コジュナ&プリヴァーテ・ムジカ」 しらかわホール 11月17日(日)15:00~

「マグダレーナ・コジュナ&プリヴァーテ・ムジカ」
プログラム
F.ヴィターリ:美しき瞳よ*
ディンディア:酷いアマリッリ*
G.カッチーニ:聞きたまえ、エウテルベ、甘い歌を*
プリセーニョ:カラヴァンダ・チャコーナ
メールラ:今は眠るときですよ*
サンス:カナリオス
ディンディア:お仇やかな春風がもどち*
B.マリーニ:星とともに空に*
G.フォスカリーニ:パッサメッゾ
モンティヴェルディ:苦悩はとても甘く*

G.カプスベルガー:トッカータ・アルペジアータ
G.カプスベルガー:わたしのアウリッラ*
ディンディア:ああどうかしら?もの悲しい哀れな姿のあなたが好き*
G.カプスベルガー:幸いなるかな、羊飼いたちよ*
G.フォスカリーニ:シャコンヌ
B.ストロッツィ:恋するヘラクレス*
サンス:曲芸師
メールラ:そう思う者はとんでもない*
モンテヴェルディ:ちょっと高慢はあの眼差し *
(*は歌)
バロック時代のサロンコンサートってこんな感じだったんでしょうね。ゆったりと音を楽しむという感じでしょうか。今の歌謡曲みたいな感じ??だからか、連れは、「いっぱい聞くとどの曲も区別がつかなくなってくるねえぇ」とのこと。器楽曲の中には、ドラマの劇伴かと思う曲も有りました。数年前聴いたフィリップ・ジャルスキーの演奏会も、こんな風で楽しかったです。


2013年11月27日水曜日

自由学園明日館 11月13日午前

自由学園明日館
数年前友人と見学に行きました。今回は娘と。怪しげな記憶を頼りに歩いて行ったのですが、私達の前を歩く上品なご年配の三人連れが!一人の方はグレーの手作り風スーツをお召しになっています。目指す所は一緒に違いない!!と踏んであとに続きました。これは大正解!!!(こういう、「この人、絶対私と同じところに行く人だ」と、駅で確信することありますよね)
池袋の喧騒がうそのような静かな住宅地の中に、自由学園明日館はあります。戦前のレトロな建物は、内も外もよくTV放送に出てきます(最近ではNHK美の壺“ブラウス”の回で登場)。「美の巨人たち」でも取り上げられました。
娘は、今も有る自由学園の教育方針に興味津々。男の子たちが自分の机と椅子を作る作業写真、農作業に始まる様々な季節の手作業 シーンは、懐かしい日本の生活の有り方を彷彿とさせます。明日館の備品の椅子・机も懐かしい。
付属のショップで買った「コンコンブル」。とても硬い乾パンに類するお菓子ですが、噛み締めるとその美味しさと作り手の方々の温かい想いが伝わるようです。


舞台:「MIWA」 東京芸術劇場中ホール 11月12日(火)19:00~

「MIWA」
2度目の観劇。
この作品は「少数者の立場の視点」の作品。サイレントマジョリティというこ言葉がありますが、サイレントマイノリティ(という言葉はありませんが…)はもっと多様であり、かつ、常にその声は「奇異」な目にさらされている。でも、よく考えれば誰もがサイレントなマイノリティになりうる。その存在・立場を無視することは、所謂サイレントマジョリティをも無視することに繋がることなのでは??と思いました。
罪なく死んでいゆくマイノリティ、定かではない定義によって貶めらるマイノリティ、一番大事に思っている人々から拒否されるマイノリティ、その苦しみ・辛さを描いた作品と言えるでしょう。
救いはどこにあるのか?救いの光はどこから射すのか?かつての野田作品にあった「救いは地平のかなた」という浮遊感は、すでに遠い過去なのだろうか。他者に救いを求めず、人それぞれがあがく必要を求められているようで、ちょっと苦い気持ちになり日常生活を反省する私です。

ところで、1回目の観劇の時「私キューバに行くわ」で思わず連想したのが、ヤマザキマリの漫画作品。キューバって、チェ・ゲバラ人気で60年代とってももてはやされたんですよね。でも、TVの報道等を見ると、いまだに「キューバ幻想」というか、「あそこにはなにがしかの“楽園”が存在している」という思いが人々にあるように思います-実際、“楽園”なの??貧しくともラテン的陽気な楽しい日々、医療は水準が高くタダ、芸術を結構保護…というTV番組や映画が紹介されています-。ロシアをはじめ社会主義の国が次々崩壊していく中で、どうしてキューバは生き残っているのか?フロリダに不法出国する人もとっても多いのに、どうして????という、本筋とは関係なことが頭をよぎりました。

展覧会:「ルオーとモロー 聖なるものの継承と変容」 パナソニック汐留ミュージアム 11月9日(土)午後

「ルオーとモロー 聖なるものの継承と変容」
コンサート前に展覧会を一つ。
パナソニックはルオーの作品をたくさん所蔵。それに合わせて、ルオーの先生に当たるモローの作品を対比展示するという展覧会。作品数はたくさんではありませんが、充実した展覧会です。でも、モローのの有名作品は残念ながら来日していません。やっぱりパリまで観にいかなければならないらしい。
ところで会場に設置されているパリ・モロー美術館を紹介する4Kビエラにはびっくり。まるで「窓の外の景色」を見るよう。東博でも竜安寺石庭の4K画像が展示中らしいですが、それもまるでお寺の縁側に座っているようと評判。技術はどこまで進歩するのかしら???そして、私を含め、パンピーはドンドン馬鹿になっていくような気が…する。

コンサート:「モーツアルト レクイエム 弦楽四重奏」 汐留ホール 11月9日(土)18:00~

「モーツァルト レクイエム 弦楽四重奏」
プログラム
ギヨーム・ルクー:弦楽四重奏のための「瞑想」
モーツアルト:レクイエム(弦楽四重奏版)

アンコール モーツァルト:アヴェヴァルムコルプス

合唱をなさるかたなら一度はトライしたい曲「レクイエム」。それもモーツァルトのものは色々「レジェンド」が付いて回る名曲。それも弦楽四重奏での演奏は、演奏者にとってかなりプレッシャーだったみたです。また、聴かせて下さいね。

本:「わたしは、わたし」(J.ウッドソン)鈴木出版

『わたしは、わたし』(J.ウッドソン)鈴木出版
この本も同じ講座で紹介された本。日本では考えられない「あること」を描いています。それは、裁判証人になって様々な脅迫を受けるようになった家族が、それまでの人生をリセットして全くの別人格として生きていくということを受け入れるということ。係累・居住すべての過去が新しく作られ、見も知らない新しい町で新しい名前で生きてくことを強いられる、命を守るとために…。
 これは、アイデンティティの喪失、それに耐える事、そして新たな獲得の物語。
これを読むと、辛い気持ちに なります。もどかしい気持ちになります。そして、最後は結構無力感に襲われます。だって、こんなことは想像もつかないことだから。
だからこそ、読んでほしいとも思います。この「違和感」をずっと心の中にとどめて、自分の周りの世界の矛盾に少しでも気づけるようになりたいと思います。

本:「あと少し、もう少し」(妹尾まいこ)新潮社

『あと少し、もう少し』(妹尾まいこ)新潮社
妹尾まいこさんは『図書館の神様』を読んだときから、好きな作家さんの一人になりました。でも、全部読んでいるわけではありません。今回の『あと少し、もう少し』は、9月に受講した講座で紹介されたので、興味を持って読みました。
登場人物それぞれの視点で描かれる「駅伝」。「繋ぐ」っていうのは、友情を表すキーワードですよね。こういう話は結構類型的というか、登場人物がステロタイプになりやすいのですが、この物語では、ギリギリ普通の男の子になっているところが良いなと思いました。青春ヒーローものも楽しいけど、こういう地味な世界を生きる青春もそれぞれ光っていて感動を与えてくれるんです。
頑張れ!!!


2013年11月6日水曜日

映画:「そして父になる」 ミッドランドシネマ 10月31日(木)12:20~

「そして父になる」
是枝監督の映画は割と好き。嘗ての「幻の光」やとても好きだった「空気人形」に比べると、今回の映画は結構エンタメ系?の仕上がりでしょうか?
それにしても子役の扱いは、本当に上手です。言葉では表現できないことを表情で語らせる演出はとても素晴らしい。また、ちょっと俗っぽいウザいオヤジ風のリリー・フランキーが、だんだん「いい人」に思えてくるのも演出の上手さでしょう。
カンヌで賞を取り、興行的にも成功しているので、また次回作、期待しています!


映画:「人類資金」 ミッドランドシネマ 10月31日(木)09:30~

「人類資金」
所謂陰謀モノの話。ミステリーというかサスペンスというか…。
個人的には森山未来の表情が好きでした。あと、コメディリリーフも可笑しかったです。
最後の「陰謀」はよくある話???

2013年11月4日月曜日

展覧会:「ル・コビュジエと20世紀美術」 国立西洋美術館 10月20日午後

「円卓の前の女性と蹄鉄」
「ル・コビュジエと20世紀美術」
「イタリア版画展―新収蔵品を中心に」
西洋美術館の設計をしたのはル・コビュジエ。その建物で、ル・コビュジエの展覧会が開かれました。企画展では「ミケランジェロ展」が行われているので、結構な人出。常設展会場で行われているこちらの展覧会にもいつもより多くの人が来ていました。
会場を入ってすぐの彫刻作品が面白いです。建築に進んだ人だけあって、やっぱり立体作品が面白い。
イタリア版画は収蔵品とのこと。粒ぞろいです。気に入ったのは、デッラ・ベッラの作品。
デッラ・ベッラ「トランペットを持ち馬に乗る死」





コンサート:「弦楽四重奏の調べに乗せる和と洋の心」 わたなべ音楽堂 10月20日(土)17:00~

「弦楽四重奏の調べに乗せる和と洋の心」
プログラム
ハイドン 弦楽四重奏曲op20-4
シューベルト 弦楽四重奏曲第十二番
山田耕作 弦楽四重奏曲第二番
安部幸明 弦楽四重奏曲第七番


雨の中、行ってきました。ウッディな素敵な会場でした。音の響きも素晴らしい。ヴァイオリン、上手!!

舞台:「魔笛-プラハ国立劇場」 愛知現芸術劇場第ホール 10月19日(土)15:00~

「魔笛」
行きに入りの演目。ベルイマンのビデオは何回観たか?モーツァルトの記念年には必ず上演され、TV放送もされます。個人的にはいつも「タミーノの見てくれ」が気になる演目でもあります。ベルイマンはOK。イギリス映画もギリギリロイヤルファミリーっぽくてOK。メトはダメ-レスラーか相撲取り-。やっぱり「王子様」を期待するのですよ。
やったぁ、今回はOKでした! 声も王子さまらしい涼やかなテノール。でももう少し大きい声と嬉しかったかも。
その他の出演者では、パミーナちょっと不安定な声だったのが気になりました。モノトナスはもう一工夫欲しい。ザラストロ、パパゲーノ、パパゲーナは安定感があって良かった-どの公演でもこの三人はハズレということが少ない。夜の女王はやっぱりこの演目の「目玉」。出演者の方もそれは承知しているのできちんと聴かせてくれました。
残念だったのは、合唱が薄かったこと。三人の侍女ももう少しだったし、三人の童子が女性だったのも残念-やっぱり童子だといかにもジングシュピールという感じがして好き-。
来日公演のせいか、舞台装置も若干スカスカしていて…。
9月の「蝶々夫人」が思いのほか良かったので、ちょっと採点が辛くなりました。





舞台:「ムサシ 2013年」 彩の国芸術劇場 10月9日(水)13:30~

「ムサシ 2013年」
初演2009年、再演2010年、そして再々演。戯曲としては、どんどん良くなっているように思います。
何しろ初演の時は、皆さん「自分で手いっぱい」という状態なのか、どこが大事かどこが繋ぎか、どこが泣かせどころかどこがコメディポイント か、力の入れ具合の加減が無くて、観客はずっと緊張を強いられていて疲れました。まぁ、それはそれで「力演」「緊張感」があって良かったのですけどね。今回はあっさり進むところも多く、物語として楽しめました。
でも、初演で一番好きだったシーン-武蔵と小次郎が旅支度の脚絆を巻くところ-があっさりしているのは物足りないと思いました。時々かわす二人の目線がなんとも言えず良くて、最後「友人です」という武蔵の台詞に繋がっていて好きだったのです。
帰り道「初演の時は“萌えシーン” もっとあったよね」と友人と話しました。そう、今回はあまり“萌え”が無かったです。どっちかというと、「コメディ色」が強くなっていました-特に武蔵が-。
時間を経て、配役が変わって、芝居も変化するのでしょう。

舞台:「MIWA」 東京芸術劇場中ホール 10月8日(火)19:00~

「MIWA」1回目
野田秀樹の新作。感想は11月の2回目を観劇後に。



展覧会:「レオナール・フジタ展」 bunkamuraザ・ミュージアム 10月8日(火)午後

「レオナール・フジタ展―ポーラ美術館コレクションを中心に」
今回「小さな職人たち」が多数展示とのことで、「いつか機会が有ったら“小さな職人シリーズ”の版画が欲しい」と言っている友人と行きました。
でも…オリジナルの絵は結構不気味…かも。なんというか、皮で作った人形を連想するのです。可愛いというより、グロテスクなイメージ。部屋に飾ると夢でうなされそうです。
友人も、「これはちょっと考える」という結論に。
1Fギャラリーの版画は気に入った作品もありました。以前も見たと思うのですが、女性の素描はとっても素敵。でもお値段も「素敵…400万円???」。ちょっと手が出ません。