2014年8月26日火曜日

本:西のはて年代記Ⅰ~Ⅲ『ギフト』「ヴォイス』『パワー上・下』(河出文庫)

西のはて年代記Ⅰ~Ⅲ
図書館で単行本を発見したのは結構前。文庫になったのも数年前。この夏の観劇の移動中の読書ということで、ようやく全4冊の文庫を読破しました。
『ギフト』
これは、さらさら読めました。少年の内面を描いた作品で、ドラマはありますが、少年の目・思いを通して描かれるので、調節的というより薄い紗の幕越しにドラマを感じていきます。どこかせつなく遠い出来事として俯瞰して感じる作品でした。
『ヴォイス』
この作品では、人より場所が印象に残ります。現実にあるようで人の心の中にあるような場所。
『ゲド絵戦記』でも第2部は主人公が女性でやはり場所がとても意味がありました。
『パワー』
このが一番冒険ものというか、めまぐるしく展開する物語です。漂泊する魂が行きつくところが静かな学問の場所というのが寓意的です。

ル=グインの作品は好きでかなり読んでいますが、SFに分類される作品でも所謂ハードSFではなく、観念的な作品がほとんどです。図書館という言葉にふさわしい作品群なので、大衆的な魅力はあまりないかも…。でもたくさんに人に読んで欲しいですし、物語のうちに秘められた思想を感じ取り、ずっと考え続けていきたいと思います。

このシリーズ、単行本の表紙は有元利夫の絵なんです。文庫になったら…残念!


コンサート:「フォーレとは何者か?」 宗次ホール 8月16日(土)13:30~

大人の音楽学校3時間目 フォーレとは何者か?」
プログラム
ラシーヌの雅歌 作品11(ピアノ五重奏)
子守歌 作品16(ヴァイオリンとピアノ)
エレジー 作品14(チェロとピアノ)
ピアノ五重奏第2番ハ短調 作品115
アンコール 夢のあとに (チェロとピアノ)



映画:「大いなる沈黙へ」 名演小劇場 8月14日(木)10:10~

「大いなる沈黙へ」
新聞でこの映画評を読んで、これは行かねば!と思いました。しかし、その後上演時間が2時間49分というのを知って、ちょっと「う~ん」になりましたが、決意を持って出かけました。
10時前に着いたのに、この入場者数…びっくり。さらにドンドン人が増える…開演時には満席?びっくり!!!
個人的にはとても興味をそそられる映画でした。ただただ修道士に生活を映しとっているだけなのですが、自然の移ろいと日々の祈り、中世以来の戒律を守っていながら時折感じる現代の生活、それらが絵画のように迫ってきました。
ナレーションの代わりに挿入される聖書のくだりは、色々なことを想起させます。 ひっそりとした中にとても「生きる」ということを強く感じたのは何故でしょうか。
大学の時、哲学の先生が「シャルトリューズ」というお酒を教えてくれました。薄い緑色のリキュールで、「修道院で作られているお酒」とのことでした。今回舞台になっている修道院で作られていたようです。
後日、近くのショッピングセンター内のペットショップで「シャルトルー」の子猫を発見。28万円というお値段、可愛いですけど、修道院とペットショップという組み回せは、色々考えますよね。


まるでフェルメールの絵画

修道院の回廊はとても好き!

舞台:「妥協点P」 うりんこ劇場 8月10日(日)15:00~

「妥協点P」
柴幸男さんの作品という事で観劇。
台風到来の日。昼過ぎのバスで劇場近くまで行き、ファミレスで昼食。窓の外のザザ降りを眺めながら時間をつぶし、開場時間に劇場へ。
それでも開演時間には結構な人が来場。皆さん熱心です!
結構ウザい設定で初めはちょっと引いたのですが、途中からは面白く観ることができました。 柴作品らしい「軽さ」とか繰り返しの持つ微妙なずれのたわみとかがあまり感じられなかったのは、うりんこ劇団が持つ「正統性」のせいかしら?でも、久しぶりのうりんこ劇場は、懐かしくまた訪れたいと思うところです。そして、柴さんの作品は、また追いかけて行きたいと思いました。
帰りは雨も上がり、ゆっくり歩いて帰りました。台風通過の後、強い風に押されながらの歩きは、道行く人影もなく、なんだか浮遊感の有る柴作品の中に入ったようでした。




舞台:「カッコーの巣の上で」 兵庫県立芸術文化センター中ホール 8月9日(土)18:00~

「カッコーの巣の上で」 兵庫県立芸術文化センター(6回目)
一度兵庫県立芸術文化センターに行ってみたいという理由(?)で今回の観劇を計画しました。台風接近中なので、早めに家を出て在来線で大阪へ。JRを2回乗り換えて3時間かかりました。梅田地下をぶらぶら、本屋さんをぶらぶら。阪急で西宮北口に向かいました。駅から直結のデッキを抜けての施設ですが、広々とした作りで良いですね(豊橋の穂の国もほぼ同じ作りですが、駅からちょっと判り難いのが…です)。こういう公共施設があるってやっぱり「文化」を感じます。
「カッコー」はこれが見納め。最後の感想は「受難」と「ミソジニー」

でした。




コンサート:「ピアノ音楽の不朽の名作~バロック時代からロマン派まで~」 宗次ホール 8月8日(金911:30~

「ピアノ音楽の不朽の名作~バロック時代からロマン派まで~」
ピアノって、やっぱり楽器の王様ですよね。豊かな音色が素敵でした。


コンサート:「名曲五重奏の調べ」 宗次ホール 8月6日(水)11:30~

「名曲五重奏の調べ」
ドヴォルジャークのピアノ五重奏第1楽章が素敵でした。
また色々な曲を聞きたいです。

舞台:「カッコーの巣の上で」 東京芸術劇場プレイハウス 8月3日(日)13:00~

「カッコーの巣の上で」東京楽日 5回目
東京楽日に伺いました。会場後ろの方での観劇になりましたが、舞台全体を観ることができて、物語をよく理解できたようにお思います。複数回の観劇の場合、いろいろなポジションで観ることができると、多角的に把握することができるのでとても嬉しいです。

東京ミッドタウン「ゴジラ」 8月3日(日)朝

ミッドタウン「ゴジラ」
朝、ミッドタウンに行きました。サントリー美術館で買いたいものがあったのですが、なんと、展覧会が変わったので売っていない…シクシク。急いているわけでも、なんとしてもというわけではないので、また関連の展覧会の折まで待ちましょう。
というわけでぶらぶらしていたら、「ゴジラ」発見。今年の夏映画はゴジラ???


舞台:「十二夜」(オックスフォード大学演劇協会) 東京芸術劇場シアターイースト 8月2日(土)18:00~

「十二夜」(オックスフォード大学演劇協会)
OUDSを観るのは2回目。日程が合えばもっと観たいといつも思っています。
今回の「十二夜」はオペラを取り入れた演出。多分、歌える役者と音楽の演出が出来る人がいるからなのでしょう。開幕前の「気象情報」(だと思う)の放送が面白いと思いました(嵐の予感が漂うではありませんか)。
幕切れのフィステの歌が、なんだか切なかったですが、そこも面白かったです。
またチャンスが有れば観て行きたいです。


舞台:「カッコーの巣の上で」 東京芸術劇場プレイハウス 8月2日(土)13:00~

「カッコーの巣の上で」
4回目