2016年6月11日土曜日

コンサート:「ヒラリー・ハーン ヴァイオリン・リサイタル」 愛知現芸術劇場コンサートホール 6月10日(金)18:45~

「ヒラリー・ハーン ヴァイオリン・リサイタル」
プログラム
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタト長調K.379
J.S.バッハ:「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ長調BWV1005
アントン・ガルシア・アブリル:無伴奏ヴァイオリンのための6つにパルティータより
                  第2曲「無限の広がり」第3番「愛」
アーロン・コープランド:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
ティナ・デヴィッドソン:地上の青い曲線
アンコール曲
佐藤聴明:微風
マーク・アントニーターネシ:ヒラリーのホーダウン
マックス・リヒター:慰撫

ヒラリー・ハーンを追いかけて何年になるでしょうか。彼女の演奏は、いつもとても練り上げられたおり、そしてとても丁寧な演奏。
今回のバッハは、会場にバロックの教会堂が建ちあがっていくように感じました。素晴らしいの一言です。
後半の現代曲では、空を浮遊するようなイメージ、水が源泉から流れだし静かな森を通って河口の賑わいまで至るイメージを感じ、アンコールでは、宇宙の無音の世界をどこまでも旅する姿を思いました。
こんな豊かなイメージに満ちた演奏会に出会えることは中々有りません。素晴らしい時間を有難う。
写真は、東京の演奏会のチラシ。名古屋のチラシを探すことが出来なかった…。




舞台:「尺には尺を」 さいたま芸術劇場 6月9日(木)13:30~

「尺には尺を」
粗筋本を読む限りではなんだか解せない物語。でも、舞台になるとおはなしをわかりやすくなります。イザベラは、ひたむきで真っ直ぐな少女。幕切れで侯爵に求婚されますが、結婚せずにその聡明さを活かした人生を送って欲しいと願うのは、私が現代人のせいでしょうか。あの時代、結婚しないのはある意味「罪」ですものね。また、「お気に」の三組のカップルはそれぞれ幸せなカップルでしたが、この芝居のカップルはどうなんでしょう?「結婚は墓場」になるかも?そして、今、TVを賑わせている色々な「不倫騒動」を思いました。
最後に舞台を飛ぶ鳥の姿に、一緒の観劇した娘も「蜷川さんを思いました」とのこと。
シェイスクピアシリーズは今後も続くのでしょうが、蜷川演出で完結できなかったのは、とても残念です。


風景:花


さいたま芸術劇場にて、献花をしました。どのお花にしようか結構迷ったのですが-赤いバラとか-、姿は見えなくても香りはどこまでも届くように思い、クチナシを選びました。
2005年のコクーン「メディア」からスタートした「蜷川詣で」。途中、ちょっとお休みした時も有ったのですが、10年余り、本当に楽しい時間をいただきました。様々な出会いもあり、本もたくさん読み、カルチャーセンターでシェイクスピアの講座にもいくつか通いました。私のちいさな世界を少しだけ広げてくださった蜷川さんに深い感謝をこめて。

舞台:「あわれ彼女は娼婦」 新国立劇場中ホール 6月8日(水)18:30~

「あわれ彼女は娼婦」
コクーンでの蜷川版も拝見しました。とても美しい舞台でしたが、物語は釈然としませんでした。今回は???
今回の舞台は、装置がとても斬新で素敵でした、床にある赤い十字はまくれ上がり、「この道は行き止まり」という閉塞感を感じました。照明も美しかったです。
物語は…やっぱり中々納得でいませんでしたが、ここ数年「ルネサンス」や「教皇権」について「ツェーザレ」 等で勉強(?)しているせいか、以前は思わなかった枢機卿の立ち位置や、横田さん演じるヴァスケスがとても興味を持って見ることが出来ました。単なる「恋愛話」ではなく、当時の社会の有り方、女性の社会的地位等を以前よりも感じ取ることが出来たように思います。
しかし、やっぱり、好きな話じゃないな…。

展覧会:「ルノワール展」 新国立美術館 6月8日午後

「ルノワール展」
名古屋ボストン美術館で「ブージヴァルのダンス」を観たので、ここで「都会のダンス」「田舎のダンス」の2枚を観ることで、三部作コンプリート達成です。
絵としては、「ブージヴァル」が好きです。生き生きしてるのは「田舎」でしょうか?やっぱりモデルのせい??
会場がなんとなくざわざわしていて絵に集中できなかったのか残念!あと、ルノワールをいっぱい見ると、スィーツの食べ放題ブッフェに行ったみたいな気持ちになるのはどうして?あの美しい色のせいでしょうか?

風景:富士山 6月8日(水)午前

「富士山」
梅雨に入ったのでお目にかかれないかと思ったのですが、新富士駅で、なんとか「頭」を拝見することが出来ました。

2016年6月5日日曜日

本:『謎の独立国家ソマリランド』高野秀行(本の雑誌社)

『謎の独立国家ソマリランド』
昨年夏に色々読んだノンフィクション。これは面白かったです。ついでに高野秀行の本を何冊か読み続けました。とにかく「前向き」なところが好きです。
というわけで、本日6月5日、高野秀行氏の講演会に行ってきました。本の破天荒さからは想像できないようなソフトな語り口。 楽しかったです。知らない世界を、これからも多くの人にわかりやすく明るく知らせてください。お願いします。「納豆」の本も読まなくては!


講演会:「藤田嗣治展」講演会 名古屋市美術館 6月4日(土)14:00~15:30

「藤田嗣治展」講演会
藤田研究の第一人者林洋子さんの講演会が有るとのことで足を運びました。とても興味深い講演で、足を運んだ甲斐がありました。
藤田の60年に渡る画業の中でも「当たり年」が有るというご指摘は納得。早世した画家とは違い、絵のスタイルが変化しつつも、どこか「その人」を感じさせる作風というものがあってこその画家なのかもしれませんし、そこが研究者にとっては面白いのでしょう。
また、「ご遺族の意向」というご指摘も興味深い。クリエーターにとって「配偶者」と言うのは「第一の理解者」であり「第一のファン」なのです。ですからどうしても「偶像視」が付きまとう。そこから自由になるのには、林さんの御指摘のように没後50年は必要なのでしょう(小説家でも、三島由紀夫は、奥様にとって「偶像」だったようですから)。
日記や手紙の研究によって、また新たなるフジタ像を観ることが出来るのでしょう、2018年の展覧会が楽しみです。ただ、名古屋では開かれないようですが…残念!


展覧会:「ルノワールの時代-近代ヨーロッパの光と影-」 名古屋ボストン美術館 6月1日(水)

「ルノワールの時代-近代ヨーロッパの光と影-」
ルノワールの絵は、印刷では良さが判りません。あの発色はどうしたら?です。
今回の展覧会はルノワールだけでなく、あの時代の都市そして田舎の様子が生き生きと描かれた絵が版画が写真が展示されています。
個人的に好きだったのは、20世紀に入ってからのモダニズムの絵でしょうか。パスキンやキルヒナーの絵は、家に飾りたい絵ではありませんが、物語を感じます。
ところで、本展覧会でルノワールの「ブージヴァルのダンス」を観ましたが、東京で開催中の「ルノワール展」の2枚と合わせると「ダンス三部作」をコンプリート出来るようです。来週の東京遠征で頑張りましょう!