2013年6月17日月曜日

コンサート:「タリススコラーズ」 しらかわホール 6月14日(金)19:00~

「タリススコラーズ」
 ピーター・フィリップス(指揮)
タリス・スコラーズ(合唱)
[プログラム] 結成40周年記念ツアー
〈ベスト・オブ・タリス・スコラーズ

トマス・タリス(c.1505-1585): 使徒らは口々に
ジョヴァンニ・ピエルルイジ・ダ・パレストリーナ(c.1525-1594):
                   ミサ・アスンプタ・エスト・マリア
エリック・ウィテカー(b.1970): 結成40周年記念委嘱作品 (日本初演)
アルヴォ・ペルト(b.1935): マニフィカト
ニコラ・ゴンベール(c.1495-c.1560): アブサロンを悼む
ジョスカン・デ・プレ (c.1450/55-1521): わが子、アブサロン
ウィリアム・バード(c.1540-1623): 聖所にて至高なる主を賛美もて祝え


アンコール
ラッスス:めでたし、天の女王
ペルト:神の 母にして処女

タリススコラーズは何度か聞いていますが、いつもながらの美しい歌声です。人間にとって、どの楽器より歌声が心に響きます。
今回ペルトの曲を聴けたのが嬉しかったです!




2013年6月10日月曜日

展覧会:「レオナルド・ダ・ヴィンチ展天才の肖像」 東京都美術館  「夏目漱石の美術展」東京藝術大学美術館

 コンサートの前、上野へ行き、展覧会を二つ。

「レオナルド・ダ・ヴィンチ展天才の肖像」
ミラノ・アンブロージアナ図書館絵画館所蔵「音楽家の肖像」と「アトランティコ手稿」を中心とした特別展。
レオナルドの描く女性たちは個性とともにどこか神秘的な魅力にあふれていますが、唯一の男性肖像画であるこの作品は、神秘性よりリアルを感じました。「アトランティコ手稿」は、いかにも「手稿」にふさわしい書き込みが面白い。ちょっとした素描が抜群の上手さ。
会期も中盤のせいか、土曜日午前、思ったより空いていました。


「夏目漱石の美術展」
こちらは漱石の作品を美術でたどるという趣旨の展覧会。これは思ったより混んでいて、漱石人気の高さを実感。
漱石が留学中に見たであろう西洋絵画、そして同時代のラファエロ前派の絵画は結構面白いです。また、この展覧会の為に描かれた「絵画」も面白い。
漱石自身の絵画・書も展示されていますが、岩波書店がこんなに持っているなんて…びっくり(まぁ、漱石全集を出版していますけど)。
展示の数が多いので、これから行かれる方が時間の余裕持ってください。

ところで、漱石がロンドンで聴いたであろう音楽のコンサートっていうのも是非、聴いてみたいものです。
「ロンドン塔幽閉の王子」ジョン・エヴァレット・ミレイ
「人魚」ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス

「ガダラの豚」…思い出すのは中島らもの作品…。そうです、元々の出典は聖書でした。 

「ガダラの豚の奇跡」ブリトン・リヴィエアー



コンサート:「ドビュッシーとミヨー 弦楽四重奏での邂逅」 茗荷谷ラリール 6月8日(土)14:30~

「ドビュッシーとミヨー 弦楽四重奏での邂逅」
プログラム
ハイドン:弦楽四重奏曲第32番ハ長調 op.20-2
ミヨー:弦楽四重奏曲第1番 op.5
ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調 op.10

茗荷谷は30数年ぶりの下車(東京に行っても茗荷谷には用がないので)。いやぁ、駅前変わりましたね。某大学の同窓会館も立派に建て変わってしまっていて(昔のレトロな建物は正面ロビーの大きな絵が道路からも見えて、そこが好きだった)、なんだか残念。そして隣の某大学の同窓会館は…なんと昔のママ。耐震は大丈夫か??
下宿していたあたりもすっかりかわっていましたが、時に30数年前を思い出させる家屋も…あったり…。教育の森公園前のマンションは、入っているお店こそ変わりましたが、入り口のあたりは以前のまま。今のマンションとは違うポップな作りで「おしゃれ」です。
とまぁ、茗荷谷に感激して歩いていきました。
コンサートは、生き生きした音で、サロンらしい響きもすてきでした。

おはなし:「神の道化師」

「神の道化師」
このおはなしを覚えですでに数年。語る対象は、大人または学校で5・6年生(読み聞かせだと結構小さい子でもやるんですけどね)。季節がずれているのが気になったのですが、今回は大人向けのおはなし会で語りました。
自分ではもう「泣く」ことはありませんが、初めてこのお話に触れる方の中には、涙腺の緩む方が多いです。出来るだけ簡潔に、さりげなく、それでいてしっかりと語りたいといつも思っています。

コンサート:「弦楽重奏の夕べvol.1 六重奏」 ザ・コンサートホール 6月7日(金)19:00~

「弦楽六重奏」
ドヴォルジャーク:弦楽六重奏曲 イ長調 op.48 B80
チャイコフスキー:弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」 op.70

弦楽四重奏は交響曲のひな形と言わるようですが、六重奏となると、これは小さな交響曲。それぞれのパートのみならず、パート内でも絡みがあって重層的な響きになっていて、とても重厚な音楽が作られていました。
vol.1ということは、この次も期待できそうです。楽しみ!

コンサート:「ヴァイオリンで奏でるオペラファンタジー」 宗次ホール 6月6日(木)11:30~

「ヴァイオリンで奏でるオペラファンタジー」
プログラム
プロコフィエフ:「3つのオレンジの恋」より“行進曲”
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」より“間奏曲”
リムスキー=コルサコフ:「サルタン皇帝」より“熊蜂の飛行”
プッチーニ:「ジャンニ・スキッキ」より“私のお父さん”
ファリャ:「はかない人生」より“スペイン舞曲第1番”
ガーシュイン:「ポギーとベス」より“そんことどうでもよいさ”
サラサーテ:「カルメン幻想曲」
マスネ:「タイス」より“瞑想曲”
ヴォーン・ウィリアムズ:「恋するサー・ジョン」より“グリーンスリーブスによる幻想曲”
ビュータン:アメリカの思い出「ヤンキー・ドゥードゥル」よりop.17
フォスター:金髪のジェニー

ヴォーン・ウィリアムズの曲を聴くことができで嬉しかったです!また素晴らしいヴァイオリンの音色を聴かせてください。


2013年6月2日日曜日

5月の読書:『幕が上がる』『アート・ヒステリー』『舞台の神に愛される男たち』「染五郎の超訳的歌舞伎』

『幕が上がる』平田オリザ(講談社)
友人からの情報でしった本。
青年団のお芝居は静かな中に社会性を感じる作品が多いと思っていたので、 「意外」な感じ。有川浩が書いたといっても信じてしまう…と思ったのです。確かに、高校演劇の仕組み、取り組みは正確なんだと思いましたし、「演劇」という視点は、平田オリザさんでなければとも思うのですが、主人公たちの描かれ方が、とってもライトノベル…と感じました(良い意味ですけど)。こういう爽やかな流れ…そうなんですかぁ??と不思議な気がしました。NHKでドラマ化できそうですよ!


『アート・ヒステリー』大野左紀子(講談社)
これも友人からの情報で読みました。この方の本は結構好きなんですが、今回も、「美術による教育」と「美術の教育」や、「結果ではなく、努力を認めて欲しい」、「自分の考え、感性がすべてのオンリーワン思考」等、示唆に富む内容です。読み流すのではなく、読み手はちゃんと自分の中で考えることが求められると思います。
個人的には、国語教育でも「国語の教育」なのか「国語による教育なのか」ということはずっと思っていることです。ちゃんとした文章を書くことって、どこで勉強するのでしょう?もしかしたら、「お礼状の書き方」とか「論文の書き方」とかいうビズネス書で学ぶの???と思ったこともありますので。



『舞台の神に愛される男たち』
これも友人から教えてもらいました。この中では、笈田ヨシさんのインタビューが一番心に残りました。
「お客は、劇場に入るときと出るときと変わってなきゃいけない。誰が変えるかと言えば、役者が変える。(中略)役者が差し出すものによって、今日よりも一段上のレベルに行ければいいな、と思うんです。役者も観客もお互いに」
「芝居って、元々お話を語って聞かせるものなんだけど、(中略)、人間と人間の関係、そこに生じる微妙なたゆたいを見せることで語っていく。だから、役者の責任は非常に重くなるわけですよ」
「うまかった、と人に言われたら、しまった、と思う。それはテクニックだから。一生懸命演じている自分を消していない、ってことだから。僕たちの本当の仕事というのは、舞台で見えるものを通して、sこの見えないものを表現する、ってことだと思うんです、(中略)見えるものを通り越して、そこから別の何かが見えてくる、ってことなんです」
他にも共感するというか、感銘をうけた言葉がたくさんありました。


『 染五郎の超訳的歌舞伎』市川染五郎(小学館)
それぞれの解説も楽しいですが、最後の猿之助さんとの対談がとっても面白い(このお二人の『決闘!高田馬場』は拝見しましたが、あれは面白かったです!)。新しい歌舞伎座で、新しい歴史を、是非創っていただきたいと願います。