2013年6月2日日曜日

5月の読書:『幕が上がる』『アート・ヒステリー』『舞台の神に愛される男たち』「染五郎の超訳的歌舞伎』

『幕が上がる』平田オリザ(講談社)
友人からの情報でしった本。
青年団のお芝居は静かな中に社会性を感じる作品が多いと思っていたので、 「意外」な感じ。有川浩が書いたといっても信じてしまう…と思ったのです。確かに、高校演劇の仕組み、取り組みは正確なんだと思いましたし、「演劇」という視点は、平田オリザさんでなければとも思うのですが、主人公たちの描かれ方が、とってもライトノベル…と感じました(良い意味ですけど)。こういう爽やかな流れ…そうなんですかぁ??と不思議な気がしました。NHKでドラマ化できそうですよ!


『アート・ヒステリー』大野左紀子(講談社)
これも友人からの情報で読みました。この方の本は結構好きなんですが、今回も、「美術による教育」と「美術の教育」や、「結果ではなく、努力を認めて欲しい」、「自分の考え、感性がすべてのオンリーワン思考」等、示唆に富む内容です。読み流すのではなく、読み手はちゃんと自分の中で考えることが求められると思います。
個人的には、国語教育でも「国語の教育」なのか「国語による教育なのか」ということはずっと思っていることです。ちゃんとした文章を書くことって、どこで勉強するのでしょう?もしかしたら、「お礼状の書き方」とか「論文の書き方」とかいうビズネス書で学ぶの???と思ったこともありますので。



『舞台の神に愛される男たち』
これも友人から教えてもらいました。この中では、笈田ヨシさんのインタビューが一番心に残りました。
「お客は、劇場に入るときと出るときと変わってなきゃいけない。誰が変えるかと言えば、役者が変える。(中略)役者が差し出すものによって、今日よりも一段上のレベルに行ければいいな、と思うんです。役者も観客もお互いに」
「芝居って、元々お話を語って聞かせるものなんだけど、(中略)、人間と人間の関係、そこに生じる微妙なたゆたいを見せることで語っていく。だから、役者の責任は非常に重くなるわけですよ」
「うまかった、と人に言われたら、しまった、と思う。それはテクニックだから。一生懸命演じている自分を消していない、ってことだから。僕たちの本当の仕事というのは、舞台で見えるものを通して、sこの見えないものを表現する、ってことだと思うんです、(中略)見えるものを通り越して、そこから別の何かが見えてくる、ってことなんです」
他にも共感するというか、感銘をうけた言葉がたくさんありました。


『 染五郎の超訳的歌舞伎』市川染五郎(小学館)
それぞれの解説も楽しいですが、最後の猿之助さんとの対談がとっても面白い(このお二人の『決闘!高田馬場』は拝見しましたが、あれは面白かったです!)。新しい歌舞伎座で、新しい歴史を、是非創っていただきたいと願います。







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