2021年3月27日土曜日
本:『赤い砂を蹴る』石原燃(文藝春秋)
『赤い砂を蹴る』石原燃(文藝春秋)
芥川賞候補作。そして作者は、太宰治の孫で津島佑子の娘ということで有名。面白い作品だと思いますが、構成をもう少し読み易くしてもらえると…と思いました。劇作家だからでしょうか、登場人物のセリフは深みがありとても良いと思うのです。でも、小説って、セリフだけで物語が進むわけじゃないですよね。組み立てというか客観的な視線というか、そこがちょっと弱いというか、読み手が混乱するところを感じました。題材的にも、この作者はもっと書けるはず。期待したい。
2021年3月25日木曜日
本:『総理の夫』原田マハ(実業之日本社文庫)
『総理の夫』原田マハ(実業之日本社文庫)
この秋映画になるとの物語。若干「登場人物が類型的」&「トントン拍子物語」ですが、「日記」というスタイルで書かれているのが面白いです。日記文学というのは、日本では平安時代より歴史がありますからね(勿論世界的にも多くの名作日記がありますよね)。表紙の絵が猪熊弦一郎さんというセレクトが、原田マハらしい。新装版も出ているようですが、同じく猪熊さんの絵で違うものになっているようです。
本:『モダン』原田マハ(文藝春秋)
『モダン』原田マハ(文藝春秋)
12月に読んだ『<あの絵>の前で』と同じく「絵画」が物語を進める5つの短編集‐ってこの本の方が先に出版されてます-。ニューヨーク近代美術館MoMAを舞台していますが、好きな作家であるワイエスの絵が主題となる「中断された展覧会の記憶」は、色々な意味で心をざわめかせる物語です。でも、一番好きなのは「ロックフェラーギャラリーの幽霊」でしょうか。公共美術館MoMAらしい物語です。
2021年3月18日木曜日
2021年3月11日木曜日
風景:これの花の名前は?
これは…なんの花?
これは…なんの花?散歩中に遭遇する植え込みにあります。木ですよね?とがった葉っぱの中から沢山の蕾を付けた茎が冬の間にすっくと伸びました。そして先週あたりから一つ二つ蕾が開き始めています。蘭の仲間かしら?
2021年3月9日火曜日
本:『たそがれてゆく子さん』伊藤比呂美(中央公論社)
『たそがれてゆく子さん』伊藤比呂美(中央公論社)
私にとって、伊藤比呂美は同世代を代表するアイドルです。彼女の作品には同世代としてとても惹かれます。でも作品自体はそんなに読んでないかも…難しいし。新聞や雑誌の短文を読むと「そうそう」と思うのです。といことでこの作品ですが、やっぱり共感ですよね。そして「自由」について考えました。
本:『結婚』橋本治(集英社)
『結婚』橋本治(集英社)
橋本治の作品は面白い。この本は2014年出版の本ですが、21世紀に入ってからの「結婚」が抱える問題をとても的確に描いています。現在巷で騒がれていることを、既に書いてたんだぁ!という驚きとともに、それをきっちり分かり易くかみ砕いて読者に提示してくれるのです。私の周りにも多くの「結婚しない女・男」がいます。P239に書かれている「どう生きるの」「人生を考えること」「結婚なんかしなくても生きていける」「結婚に関するアマチュア」という多くの言葉は、それぞれ重みがありますが、中でも「結婚に関するアマチュア」という言葉は身に沁みますね。
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