「レ・ミゼラブル」
評判の映画。押さえておかなければ!と出かけました。新聞には、出演者の歌の上手さが書かれていましたし、ご覧になった方から、「ハンカチ忘れずにね!」とのことだったので、かなり期待して観たのですが…期待が大きすぎたか…?
確かにミュージカル映画としてはとてもよくできていると思いました。最初の船曳のシーンが歌で始まるのは、まるでロシア民謡を思い出し、以後、すべてが歌で表現さるのが自然となる風景。 登場人物もそれぞれ柄に合っているし、さすが映画と思わせるセットの美しさも抜群。展開もさくさくで、長さを感じさせない。
でも、見終って最初に思ったのは、「あー、オペラ歌手って、やっぱり歌が上手んだぁ」というものでした。
「レ・ミゼラブル」という話、実は原作をちゃんと読んでないし(むか~し、道徳の教科書に「銀の燭台」というタイトルで載っていたような-でもこれって話の導入部分?)、ミュージカル舞台も見ていません。ですから、この作品について語資格はないと思うのですが、「歌」に関しては、やっぱり語りたい。
オペラもそれほど見てはいないのですが、この作品、オペラに作りは良く似ていると思うのです(「リゴレット」の四重唱とか)。その点を考えると、やっぱり圧倒的な声の魅力を必要とする役が有るように思う。映画の中でも、ファンテーヌやエポニーヌなど、リリカルな歌は、ポップス系の声でもOKなので-曲の作りも現代的-、とても感動を誘うのですが、問題は男声。特にジャベールは、自分の信念の強さと、それが崩壊した時の絶望を、辺りをなぎ倒すような声で表現してほしいと思いました。別にラッセル・クロウが悪いんじゃなく、私が個人的にそういう声を画面に被らせていただけなんですけどね。
ですからというわけではありませんが、この映画に感動した方は、是非、オペラを鑑賞されることをお勧めします。ナマのオペラの敷居が高いようなら、オペラ映画でも良いかも。同じシネコンではメトオペラの上映もあるので、そちらに足を運ばれてはいかがでしょう。確かに、男性歌手は「相撲取り」みたいなので、ヒュー・ジャックマンやラッセル・クロウみたいに格好良くはありませんが、「声の魅力」は数段上です。
0 件のコメント:
コメントを投稿