「黄金のアデーレ 名画の帰還」
物語の結果は判っているのですが、過去のウィーンと90年代のウィーン、そしてアメリカをとても上手く織り上げた物語の映画です。ちょっとした人々の態度・言葉が人の心を動かす(特に90年代のアメリカ)様子は、とても面白い。
「モノより思い出」というキャッチコピーも有りましたが、「モノを介しての思い出」は強い。体面よりも、気持ちを思いやることの大切さをしみじみ感じます。 中々そうは上手くいかないとも思いますけど…。
また、数奇な運命をたどった数々の品の運命は心を揺さぶります。中でもアデーレの首を飾ったネックレスがゲーリングの妻の首を飾ったというのは、なんとも苦い思いを起こさせます。
ウィーンには行ったことが無いのですが、行くチャンスは有ったので、「1995年までに行ってたらこの絵、ベルベデーレで見られたの!?」とそこが…残念!今ニューヨークで展示されているそうですが、映画の中で絵を取り戻した主人公が述べているように「この絵がウィーンにあることを叔母は望みましたし、私もそう思いました。でもあなたたちはそのチャンスを失ったのです。私と一緒に海を渡ります」という台詞は重い。クリムトの絵は、「黄昏のウィーン」にふさわしいですものね。
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