2022年4月13日水曜日

本:『夢見鳥 』中村吉右衛門(日本経済新聞出版社)

『夢見鳥』中村吉右衛門(日本経済新聞出版社)
日経新聞に連載された中村吉右衛門さんの「私の履歴書」を単行本化し、さらに第三章として、当たり役のお芝居についてのインタビューがまとめられています。吉右衛門さんの来歴については、以前取り上げた2冊の文庫本とほぼ同じ内容なので、なんだかとっても身近に感じました。そして、付け加えられ第三章は、演じ手としての作品理解がよく判る内容になっています。役の捉え方、肚の持ち方…あ~そうなんだと思い、これを読んでから吉右衛門さんの舞台を拝見したかったと心から思いました。そして、孫の丑之助さんと盛綱陣屋を演じたい、喜寿で一度八十歳でまた弁慶を演じたい、という吉右衛門さんの願いが叶わなかったのは、とても残念です。志を繋いでいくためにも、観客として歌舞伎を応援したいと思っています。

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