2025年1月11日土曜日
本:『国宝』上・下 吉田修一(朝日新聞出版)
『国宝』上・下 吉田修一(朝日新聞出版)
新聞連載時に読みました。「執念」という言葉が頭に浮かぶ作品でした。そして「歌舞伎」という芝居の持つ「異様な姿」が印象に残る作品です。「歌舞伎」を扱った物語はお送りますが、どれも「異様な世界」を垣間見るような読後感があります。単なる「役者もの」ではありません。そういう思いを観客に思わせる何かが「歌舞伎」にはあるのでしょう。この作品でも、幕開きから「この世ならぬ美しさ」「この世界のためなら我が身捧げる」という雰囲気が伝わってきます。勿論たの芸術分野でも「修練」とか「人生すべてを懸ける」とかの物語はあるのですが、そういう崇高なモノではない「ナニカ」が歌舞伎の世界を観る者に感じさせる力が「歌舞伎」にはあるようです。とうことで、単行本も一気読みしました。
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