これは不思議な映画でした。物語を伝えるとしたら、多分「第二次世界大戦下での悲惨なサバイバル」ということになるのでしょうが、出てくる人々は、人間としての感情をあまり感じさせないのです。主人公の双子は勿論、祖母も村の人々も感情が無い。悪意らしきものは感じますが深みが無い。積極的な感情が無いのです。勿論善意や愛情なんてものはほとんどない。まるっきりの不条理劇なのです。でも、そこがとても面白いと思いました。
原作者クリストフは、ハンガリーからスイスに逃れ、そこでフランス語を学び、50歳を過ぎてからこの作品を出版した由。パリの大手出版社3社に原稿を送り2社からは断られたとのこと。
早速原作を読みましたが、これが面白い。レトリックの国フランスで出版を断れたのも納得です。多分、とても奇妙なフランス語なんだと思うのです。そして、そこが新しかったのです。
ということで、続編も読みたい!
「魔女」と呼ばれる祖母 |
「双子」っていうのは文学的にはとても面白い扱いになります。
「半神」しかり「図書室の魔法」しかり…。
二人なのか、一人なのか…、自分なのか他人なのか…。
現実の双子たちはどう感じているのでしょう。
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