「少年は残酷な弓を射る」
予告編を見た時、魅かれました。そして、新聞評でもかなりの高評価。期待して観ました。
ちょっと期待しすぎだったかしら?パンフレットに、低予算で撮影時間が短かったと書かれているのですが、そのせいか、「溜め」がちょっと足りないような気がしました。「赤」に象徴される一人でいることの幸福と不安、穏やかな生活を描写する中間色の柔らかな色合いと、映像は上手いなぁと思ったのですが、全体を通して、心理ミステリーなのか社会派なのか、そのあたりが曖昧で、あまりに見る側に委託されすぎているようにも思います。主演のティルダ・スウィントンの定まらない視線は中々良いんですけど、少年のエズラ・ミラーは最後の最後、ちょっとがっかり。「母子もの」として見るのが正解なんでしょうが、現実世界で起こっている様々な出来事はそう簡単に割り切れるものではないし、親子・家庭は一種の密室ですから、中々「理解=カタルシス」「理解→解決」にはなりえない。10㎝の幅の平均台の上をつり合いを取りながら歩くように、常に左右に振れながらしか歩んでいけない。原作を読んでみたいと思うのですが、まだ図書館に入ってないよ!でも買うのもなぁ…。
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