2012年9月5日水曜日

展覧会:「村山知義の宇宙-すべての僕が沸騰する-」世田谷美術館 8月31日(金)

「村山知義の宇宙-すべての僕が沸騰する-」世田谷美術館
村山知義さんといえば、私の中では『おなかのかわ』(福音館書店)の絵本。でも、奥様の村山壽子さんとの作品も捨てがたい。今回の展覧会では、そういう絵の作品ばかりでなく、かかわった文化運動、舞台美術作品の紹介、彼を取り巻く他の芸術家たちの作品も展示されています。
う~ん、20世紀って個人の世界が一気に広がった時代なんだと思いました。 外国に出かけ、そこで出会ったものを持ち帰り実践する、多くの仲間を作る、尚且つそれらが印刷物や写真という形態で残されている…。「記録」という点でも、この展覧会は興味深いです。1冊の雑誌、1枚のチラシが思い起こさせる記憶が、無限の宇宙に広がって行くように思いました。
そういえば、芝居でも、観客にとって、パンフレットは客観的な記録ですが、チラシって、後々「観劇時の自分 」を思い出させます。初めてチラシに出会った時の想い-偶然手に取ったとか、情報で知っているのに入手が難しかったとか-、仮チラシから本チラシへの移行とか。一つ一つの仕事が、次の仕事に繋がって行くんですね。

「動物村の~」という動物を擬人化した物語の中には、どうしてもなじめないものもあるのですが、村山さんの描く擬人化された動物・物は、シュールで好き。特に鳥が好き。エジプトの神様みたいな頭部の造形、身体はおしゃれな洋服を着て、下半身は完全に人間という組み合わせは凄い。
この展覧会で上映されている『3びきのこぐまさん』というアニメは、中々シュールで面白かったです。

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