「蝶々夫人」
台風の影響で開演時間が10分押しました。(でも、台風通過の当日でなくて良かった!)
有名な作品ですが、初見。とても素晴らしい「物語」になっていました。
まず障子をイメージした装置が素晴らしい。障子の動きが場面転換になっていて、室内空間と外空間を 微妙に繋ぐ日本家屋の美しさを感じさせてくれました。合唱の人々の動きも美しく、雅な華やかさとその裏にある移ろいやすさを伝えていました。
ところで、野田地図「THE BEE」で「ハミングコーラス」が使われていた意味を初めて知りました!「ハミングコーラス」の音楽は、2幕2場の前だけでなく、2幕1場の、シャープレスが手紙を読む場面に伴奏して使われているんですね。哀しい内容の手紙を巡るやり取りのバックに流れる美しいメロディー…。「THE BEE」のあの無残な手紙のやり取りのバックに流れる「ハミングコーラス」の意味が深まりました。
八百屋舞台だったので、歌手の方々は大変だったろうと思いますが、アリアも美しく心に響きました。久しぶりのオペラでしたが、オペラって良いなと思えた公演でした。
ちなみに、事前3回のシリーズトークはとても面白かったです(学芸員の友人が、展覧会でも講演会は面白いから参加してねといつも言われているのですが、ちょっとした知識によってより楽しめますよね)。今回は、使われている日本の曲が、取り出して聴くといつも「そうかぁ」と思うのですが(「蝶々夫人」は有名なので、よく鑑賞の手引き番組で聴くことがある)、実際の公演でしっかりそこが判ったのが嬉しかったです。理由は、音楽だけでなく視覚に訴える舞台演出との絡みがあってこそのオペラということでしょうか。総合芸術「オペラ」を再認識しました。
10月には「魔笛」に行く予定。来年春にはオペラ鑑賞のために東京遠征予定。
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