2013年9月30日月曜日

「ヴェニスの商人」 さいたま芸術劇場大ホール 9月18日(水)13:30~

「ヴェニスの商人」
この話「嫌な話、シャイロックがかわいそう」という人が多い。私が10代の時見た「ヴェニス」も、最後はシャイロックの悲劇的表情で終わるのものでした。先年見たイギリス人の演出家のものはアントーニオに焦点をあてた物語になっていました。
「喜劇」に分類されているので、今回は???

個人的には今までの中で一番好きな「ヴェニス」でした。
まず、オールメールということで「喜劇性」を感じました。特にポーシャの中村倫也さんはなんともキュートで可愛い。好きな男のために全力を尽す「乙女の力」を感じました-他人の迷惑を考えない、ただひたすら好きな人が喜ぶことをしたい!-。
そして周りの大人たちのなんともその場しのぎのいい加減さ、身分の上の人にはへつらい身分の下のものは完全に見下す、仲間同士の利益を最優先する打算的態度、シャイロック自身社会のそんな仕組みの中で上手く泳いでいる。その足元をひっくり返されるどんでん返しの驚き、くやしさ、不条理感が上手く伝わったと思います。
ただ、いつも思うのですが、娘のジェシカの扱いはどうなんでしょう?彼女は結構かる~い考えなしの娘だと思うのです。親のことは嫌い、恋した男と駆け落ち、その男と言うのも結構チャラ男ですよね。一種の世代断絶が有るハズ(身分の違いと同時に)。それがあれば、シャイロックのアントーニオやバッサーニオとの証文にこだわる頑固さがより一層鮮明になるのでは??
なんて思ったりします。

幕切れは素晴らしいの一言。ヴェニスの商人たち-キリスト教徒-の残酷さが浮かび上がります。「忠臣蔵」も高師直視点の演出有り???かぁ???



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