シェイクスピアは、この作品で何を描きたかったのか?若者の色恋沙汰というより、「トロイ戦争」ひいては、争いがもたらす不毛さを描きたかったのでは?と、今回の舞台を観て思いました。
ギリシャの武将たちは、アメリカ、ドイツ等の軍服を着て、 英雄アキレスはランボー…。クレシダの心変わりは、情緒的な心変わりというより、戦争という状況下で生き延びるための一つの選択のように思いました。突飛な連想なのですが、遊牧民の略奪婚-ジンギスカンと妻ボルテとかね-を思い出し、今の道徳観・価値観とは違う古代の人々の選択を思いました。そして、シェイクスピアの生きていた時代もイギリスと大陸との戦いは有ったわけで、征服する・される、勝つ・負けるの意味は、日々の生活を強く結びついていたのだと思いました。その中での「選択」は、今とは随分違う者だったのでしょうし、シェイクスピアの時代の人々も、様々な思いを重ねあわせたのではないでしょうか。
次の日(23日)の朝日カルチャーでの松岡和子さんのお話では「この作品は、古典の知識のある上流階級の人々だけに上演されたのではともいわれています」とのこと。知識が必要とされる作品のようです。
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