『悦ちゃん』
TVドラマが始まって、獅子文六のユーモア小説を昔読んだことを思い出し、図書館で借りました。
ドラマよりシニカルな展開なのですが、語り口の面白さで、ずんずん読めました。脚注を入れれば、中学生なら楽しんで読めます。
以前より、なぜ子どもの本・物語として図書館等で紹介される本が「翻訳もの」ばかりなのかが疑問でした。特に、古典といわれる作品は、ほとんどが英米文学なのです。どうして??
昨年必要があって『秘密の花園』を読み返したのですが、「これって階級社会そのもだし、植民地主義だよねぇ…」と思ってしまいました。もっと顕著なのは、最近ではあまり紹介されませんが『クオレ』。この本はイタリアが統一されたことを祝う(?)ために書かれた物語で、月に一度の先生のおはなし-有名なマルコの話もその一つ-は、ほとんどが「自己犠牲」の物語。中でも、私自身子どものころ大変好きだった「ロンバルディアの少年斥候」なんて、もろに「国家のために尽くしましょう」の話。
こういう外国の物語を紹介しているのに、かつて日本で書かれた少年・少女向きの物語って、現在まったく無視されているわけで…。
もちろん外国のものでもケストナーやリンドグレーンのものは、素敵だし、今の日本の子どもに読んでもらいたい価値があると思いますけど…。
「日本の文学」をもっと大事にして欲しいとも思うわけです。
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