2017年9月30日土曜日

本:『細雪』谷崎潤一郎

『細雪』
谷崎が好きというわけではなく、何を読んだかと考えると、『細雪』となってしまう(高校時代、『春琴抄』も読んだけどね)。エンターテイメントとして、とても面白い。早くページを捲らねばと思ってしまう。
映画の「細雪」も好き。幸子が「本家に行く」と言いながら箪笥を開けて着替えるのが、実家の母や祖母たちの世代を彷彿とさせていておかしかったし、TVでの何度目かの放送時に「吉兆から仕出しを取る」と本家の婿さんが叫ぶシーンは、ちょうどその「船場吉兆」がワイドショーで話題になっていたときだったので、思わず「えーっ」となりました。大阪の文化の崩壊を描いている作品と言われますが、まさに「崩壊」したわけで…。
こういう「一つの文化が爛熟し失われていく姿」が好きなんだと思います。チェーホフが好きなのも同じ理由でしょうね。
谷崎の朗読(『刺青』)を聞きに行ったので谷崎について書きました。




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