2012年4月15日日曜日

舞台:「シンベリン」 さいたま芸術劇場 4月13日(金)13:00~


「シンベリン」F列14番
シェイクスピアシリーズ。ロマンス劇に分類される作品。数年前「子どもの為のシェークスピア」でこの作品は見ましたがわりと後味の悪い話でした。「登場人物の皆さん、もっと冷静に!」と思うのは喜劇でも同じですが、喜劇の場合「ご愛嬌」となる取り違えや思い込みが、この作品では決して愛嬌にならないのです。またタイトルロールたるシンベリン王は魅力に欠ける人物(今回の吉田さんは最後結構愛嬌があってそこは救われました)。他の登場人物も、「素敵」とは思えない人達ばっかりなんです。同じロマンス劇でも「冬物語」はファンタジー世界なので理屈が合わなくても最後の幸福感がすべてを救いますが、「シンベリン」では無理やりつじつまを合わせるようで、あまり幸福感が生まれてきません。
イギリスに行く作品とのことで、装置や衣装は東アジア風。豪華です。「雨夜の品定め」の解釈は成程と思いましたが、効果音の「ツケ」はあまりに多用されているようで、時に要らないと思ってしまうことも。
特に誰が主人公とも言えない話ですが、殺されちゃうクロートン(多分シェイクスピア時代の役者の使いまわしの為もあるのでしょうが)は、「どうして殺されちゃうの??」と「子どもの為の~」の時も思いましたが、今回はコメディリリーフとして演じられる-害が有る人物には思えない-のでますます「どうして殺されちゃうの?????」と思ってしまいました。ヤーキモーは許されるのにね!
役者さんは良かったです。特にクロートンの勝村さんはやっぱり魅力的。ヤーキモー窪塚さんは、ゆっくりセリフを語られるところが好き。この手の作品だとどうしても早回しになりがちだと思うのですが、ゆっくりと語られることでヤーキモーという人物の姦計が生きていました。手の動きも綺麗で魅力的。
阿部さんはとにかく格好良い。でも、主役なの??登場時間は…短いよね。大竹さんはとても上手い。でも、若い女が持っている「隙」みたいなものは…無いよね。イノジェンには「隙」が有るハズなんですが。

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