「京都市交響楽団 名古屋公演」
プログラム
デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲」 ギター:沖仁
アンコール:沖仁「フエゴ(炎)」
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
ラヴェル:ボレロ
アンコール:ブラームス「ハンガリー舞曲第6番」
中々楽しい演奏会でした。フラメンコギターの沖さんの演奏はクラシックギターの演奏家とは違って即興的な感じがしました。そこが好みの別れるところとも思います。
ボレロは、トロンボーンも無事演奏され、あの曲の持つ高揚感がありました。オーケストラならではの音の厚みはやっぱり魅力ですよね。
2013年9月30日月曜日
「ヴェニスの商人」 さいたま芸術劇場大ホール 9月18日(水)13:30~
「ヴェニスの商人」
この話「嫌な話、シャイロックがかわいそう」という人が多い。私が10代の時見た「ヴェニス」も、最後はシャイロックの悲劇的表情で終わるのものでした。先年見たイギリス人の演出家のものはアントーニオに焦点をあてた物語になっていました。
「喜劇」に分類されているので、今回は???
個人的には今までの中で一番好きな「ヴェニス」でした。
まず、オールメールということで「喜劇性」を感じました。特にポーシャの中村倫也さんはなんともキュートで可愛い。好きな男のために全力を尽す「乙女の力」を感じました-他人の迷惑を考えない、ただひたすら好きな人が喜ぶことをしたい!-。
そして周りの大人たちのなんともその場しのぎのいい加減さ、身分の上の人にはへつらい身分の下のものは完全に見下す、仲間同士の利益を最優先する打算的態度、シャイロック自身社会のそんな仕組みの中で上手く泳いでいる。その足元をひっくり返されるどんでん返しの驚き、くやしさ、不条理感が上手く伝わったと思います。
ただ、いつも思うのですが、娘のジェシカの扱いはどうなんでしょう?彼女は結構かる~い考えなしの娘だと思うのです。親のことは嫌い、恋した男と駆け落ち、その男と言うのも結構チャラ男ですよね。一種の世代断絶が有るハズ(身分の違いと同時に)。それがあれば、シャイロックのアントーニオやバッサーニオとの証文にこだわる頑固さがより一層鮮明になるのでは??
なんて思ったりします。
幕切れは素晴らしいの一言。ヴェニスの商人たち-キリスト教徒-の残酷さが浮かび上がります。「忠臣蔵」も高師直視点の演出有り???かぁ???
この話「嫌な話、シャイロックがかわいそう」という人が多い。私が10代の時見た「ヴェニス」も、最後はシャイロックの悲劇的表情で終わるのものでした。先年見たイギリス人の演出家のものはアントーニオに焦点をあてた物語になっていました。
「喜劇」に分類されているので、今回は???
個人的には今までの中で一番好きな「ヴェニス」でした。
まず、オールメールということで「喜劇性」を感じました。特にポーシャの中村倫也さんはなんともキュートで可愛い。好きな男のために全力を尽す「乙女の力」を感じました-他人の迷惑を考えない、ただひたすら好きな人が喜ぶことをしたい!-。
そして周りの大人たちのなんともその場しのぎのいい加減さ、身分の上の人にはへつらい身分の下のものは完全に見下す、仲間同士の利益を最優先する打算的態度、シャイロック自身社会のそんな仕組みの中で上手く泳いでいる。その足元をひっくり返されるどんでん返しの驚き、くやしさ、不条理感が上手く伝わったと思います。
ただ、いつも思うのですが、娘のジェシカの扱いはどうなんでしょう?彼女は結構かる~い考えなしの娘だと思うのです。親のことは嫌い、恋した男と駆け落ち、その男と言うのも結構チャラ男ですよね。一種の世代断絶が有るハズ(身分の違いと同時に)。それがあれば、シャイロックのアントーニオやバッサーニオとの証文にこだわる頑固さがより一層鮮明になるのでは??
なんて思ったりします。
幕切れは素晴らしいの一言。ヴェニスの商人たち-キリスト教徒-の残酷さが浮かび上がります。「忠臣蔵」も高師直視点の演出有り???かぁ???
舞台:「九月花形歌舞伎-新作陰陽師~滝夜叉姫」 歌舞伎座 9月17日16:30~
新作「陰陽師 滝夜叉姫」
花形歌舞伎ということで、チケット取りに苦労しました…。どうにか3席連番で取ることができホット一息。
新作歌舞伎は結構リスキーなんですが(「愛蛇姫」とか?「りびんぐでっど」とか?)、今回は??
う~ん、全員「ニン」なんですけど、なんだか消化不良というか…。各地の名産・特産品を集めて豪華に作られたよく判らない料理???
特に1幕はよく判らない…長いよぉと思ってしまいました。各駅停車の「☆新○線」 ???
2・3幕物語が進むので結構楽しめました。
中でも2幕目第1場は素敵でした。京都の荒れ庭のしっとりとした秋の風情、男同士の友情・微妙な会話、そして跳ねる狐…、すべてがゆるやかな時間の流れを感じさせる素晴らしい表現でした。
今後も「新作」が有るのでしょうが、磨き上げる工夫はどこにあるのか?一観客である私にはよく判りませんが、なんとか新しく楽しい歌舞伎を作っていただきたいと思います(ちなみに「十二夜」は原作がシェイクスピアということ-17世紀の戯曲-も有るのでしょうが、とても「歌舞伎」っていう印象が有りました)。
開演前に新しくできた「歌舞伎座ギャラリー」拝見。いろいろ趣向があって楽しかったです。3F席後方からの見学もできて-私たちが伺った時は昼公演終了後でしたが-、臨場感を楽しめます。また機会があったら行こうかしら。
花形歌舞伎ということで、チケット取りに苦労しました…。どうにか3席連番で取ることができホット一息。
新作歌舞伎は結構リスキーなんですが(「愛蛇姫」とか?「りびんぐでっど」とか?)、今回は??
う~ん、全員「ニン」なんですけど、なんだか消化不良というか…。各地の名産・特産品を集めて豪華に作られたよく判らない料理???
特に1幕はよく判らない…長いよぉと思ってしまいました。各駅停車の「☆新○線」 ???
2・3幕物語が進むので結構楽しめました。
中でも2幕目第1場は素敵でした。京都の荒れ庭のしっとりとした秋の風情、男同士の友情・微妙な会話、そして跳ねる狐…、すべてがゆるやかな時間の流れを感じさせる素晴らしい表現でした。
今後も「新作」が有るのでしょうが、磨き上げる工夫はどこにあるのか?一観客である私にはよく判りませんが、なんとか新しく楽しい歌舞伎を作っていただきたいと思います(ちなみに「十二夜」は原作がシェイクスピアということ-17世紀の戯曲-も有るのでしょうが、とても「歌舞伎」っていう印象が有りました)。
開演前に新しくできた「歌舞伎座ギャラリー」拝見。いろいろ趣向があって楽しかったです。3F席後方からの見学もできて-私たちが伺った時は昼公演終了後でしたが-、臨場感を楽しめます。また機会があったら行こうかしら。
舞台:「蝶々夫人」 愛知県芸術劇場大ホール 9月16日(月・祝)15:10~
「蝶々夫人」
台風の影響で開演時間が10分押しました。(でも、台風通過の当日でなくて良かった!)
有名な作品ですが、初見。とても素晴らしい「物語」になっていました。
まず障子をイメージした装置が素晴らしい。障子の動きが場面転換になっていて、室内空間と外空間を 微妙に繋ぐ日本家屋の美しさを感じさせてくれました。合唱の人々の動きも美しく、雅な華やかさとその裏にある移ろいやすさを伝えていました。
ところで、野田地図「THE BEE」で「ハミングコーラス」が使われていた意味を初めて知りました!「ハミングコーラス」の音楽は、2幕2場の前だけでなく、2幕1場の、シャープレスが手紙を読む場面に伴奏して使われているんですね。哀しい内容の手紙を巡るやり取りのバックに流れる美しいメロディー…。「THE BEE」のあの無残な手紙のやり取りのバックに流れる「ハミングコーラス」の意味が深まりました。
八百屋舞台だったので、歌手の方々は大変だったろうと思いますが、アリアも美しく心に響きました。久しぶりのオペラでしたが、オペラって良いなと思えた公演でした。
ちなみに、事前3回のシリーズトークはとても面白かったです(学芸員の友人が、展覧会でも講演会は面白いから参加してねといつも言われているのですが、ちょっとした知識によってより楽しめますよね)。今回は、使われている日本の曲が、取り出して聴くといつも「そうかぁ」と思うのですが(「蝶々夫人」は有名なので、よく鑑賞の手引き番組で聴くことがある)、実際の公演でしっかりそこが判ったのが嬉しかったです。理由は、音楽だけでなく視覚に訴える舞台演出との絡みがあってこそのオペラということでしょうか。総合芸術「オペラ」を再認識しました。
10月には「魔笛」に行く予定。来年春にはオペラ鑑賞のために東京遠征予定。
台風の影響で開演時間が10分押しました。(でも、台風通過の当日でなくて良かった!)
有名な作品ですが、初見。とても素晴らしい「物語」になっていました。
まず障子をイメージした装置が素晴らしい。障子の動きが場面転換になっていて、室内空間と外空間を 微妙に繋ぐ日本家屋の美しさを感じさせてくれました。合唱の人々の動きも美しく、雅な華やかさとその裏にある移ろいやすさを伝えていました。
ところで、野田地図「THE BEE」で「ハミングコーラス」が使われていた意味を初めて知りました!「ハミングコーラス」の音楽は、2幕2場の前だけでなく、2幕1場の、シャープレスが手紙を読む場面に伴奏して使われているんですね。哀しい内容の手紙を巡るやり取りのバックに流れる美しいメロディー…。「THE BEE」のあの無残な手紙のやり取りのバックに流れる「ハミングコーラス」の意味が深まりました。
八百屋舞台だったので、歌手の方々は大変だったろうと思いますが、アリアも美しく心に響きました。久しぶりのオペラでしたが、オペラって良いなと思えた公演でした。
ちなみに、事前3回のシリーズトークはとても面白かったです(学芸員の友人が、展覧会でも講演会は面白いから参加してねといつも言われているのですが、ちょっとした知識によってより楽しめますよね)。今回は、使われている日本の曲が、取り出して聴くといつも「そうかぁ」と思うのですが(「蝶々夫人」は有名なので、よく鑑賞の手引き番組で聴くことがある)、実際の公演でしっかりそこが判ったのが嬉しかったです。理由は、音楽だけでなく視覚に訴える舞台演出との絡みがあってこそのオペラということでしょうか。総合芸術「オペラ」を再認識しました。
10月には「魔笛」に行く予定。来年春にはオペラ鑑賞のために東京遠征予定。
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