「大人は、かく戦えり」2月5日17:00~ 5列センター席
段田安則さんが好き。遊眠社解散公演で初めて観た時、ファンになりました。その後、出来るだけチャンスが有れば拝見いますが、特に記憶に残っているのは野田地図番外編「赤鬼」、シスカン「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?」の二本。あ、「贋作・罪と罰」や「藪原検校」のきりっとした役や「タンゴ・冬の終わりに」や「ロマンス」での中途半端な男の役も素敵でした。奥行きを感じさせる「闇」のある人物の造形がお上手だと思うのです。コメディでは「振り回され系」ですよね。
さて「大人~」ですが、ウェルメイド系の物語だと思います。「玉ねぎ系」というか、登場人物たちは、着ている「鎧」「殻」をどんどん脱いでいくのに、次々新しい「鎧」「殻」が見えてきて果てしなく、建前も本音もぐちゃぐちゃになっていく。そして「振り出しに戻る」的展開。役者のセリフのやり取りと間合いを楽しむ物語。ですから、観客が入り込む隙はありません。純粋に技を楽しむ舞台だと思います。
その点では、4人とも上手な方ばかりですから、とても楽しめました。上演時間も1時間20分と一気に集中して観ていられる時間。でも、こういう芝居って、なんだか物足りないと思うのです。余韻もないし・・・。これだけの手練れを使っているのですから、もう一つ「え…?」というラストを期待してみたい。
ポランスキー監督で映画になるとのこと、どんな作品になるのかしら?
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