2011年11月29日火曜日

本:『ふしぎなキリスト教』橋爪大三郎×大澤真幸(講談社新書)


腰帯に大きく書かれた「日本人の神様とGODは何が違うのか?」が示す通り、「神様」と「GOD」は大きく違うらしい…というのは、大学時代の専攻がキリスト教美術だったので「うすうす」感じていたことです。でも、はっきり言葉で説明できなかったし、結構こういう基本的なことは誰も教えてくれない-質問するのも憚られる?-。この本は「子ども相談室」なみの判りやすさで、夏休みに楽しく読むことができました。
ついでに付け加えるなら、9月にNHKで放送された「疾走する進化論」も中々興味深く見ました。
「判り易」=「単純化」になるので、そこは気をつけて読まなければいけませんが、日本人にとって「神様=おすがりするもの」という感覚なのに対して、「神様=契約者」という捉え方は「確かに」と思います。でも、西洋人にとっても「GOD=おすがり」という感覚はあると思う。だって映画「オーケストラ!」で一番笑えたのがガチガチの共産主義信奉者が最大の危機に直面した時思わず漏らす「ああ、神よお助けください」だったから。思わず「宗教はアヘン」じゃないのかよと突っ込みを入れたのでしたが、多分それを狙った演出でしょう。「神様」も「GOD」も、歴史が古く、、解釈もわけのわからなさも複雑にからみあっていて、解きほぐすのはとても難しいものですね。エンタメの本として読むと楽しい。
ところで、日本史を習うと仏教は聖徳太子が導入→奈良仏教→平安仏教→鎌倉仏教と、政治がらみで仏教の歴史を結構習いますが、ヨーロッパやアメリカではどうなんでしょう??フランスでは公教育は宗教と分離が原則らしいですが…。
仏教と同じように、当然キリスト教にも分派は多くあり、それぞれ少しずつ教義の解釈・大事にすることが違うらしく、そのあたりを「教養」として知りたいと思っていたことがありました。でも、教えて頂くチャンスが無くて…残念!

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