2013年5月7日火曜日

映画:「天使の分け前」 伏見ミリオン座 5月6日(木)12:00~

「天使の分け前」
ケン・ローチ監督の映画は好き。でも悲惨な内容のものが多く「麦の穂をゆらす風」はしみいるような美しい緑の中でおこなわれる内戦(というか一種のテロリズム)の哀しみを描いていたし、「エリックを探して」も悲惨な結末にはなりませんでしたが、決して明るい内容ではなかったです。
そして「天使の分け前」。この映画、ケン・ローチの映画としては一番商業的に成功したそうですが、成程、確かに初めの方の主人公の所属する社会の描き方こそいつも通りの悲惨な生活なのですが、どこかに「人を信じる大切さ」「自分を信じてくれる人の存在の大切さ」を感じさせ、人生を肯定的に捉え、生きる希望を持たせてくれました。
確かに労働とは言い難いことで金儲けをすることは悪いことかもしれませんが、「天使の分け前」という題名通り、これはウィスキーという天使が分け与えてくれたギフトなんだという気がします。
主人公の恋人の初々しさ、一緒に出掛ける三人の仲間のダメさ加減とそして意外な智慧、本当のワルにはなれず踏みとどまる大人達、そして主人公を信じそれとは気づかず導いてくれる存在。名作「リトルダンサー」を思い出させる、まさに「天使の分け前」という題名にふさわしい映画でした。
それにしても、この映画の人達も「つるむ、ツルム」。ワルもワルじゃない人達も…。




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