『漂流』
昨年12月に読んだ本。角幡唯介の本は、まだ出版された冊数が少ないのでコンプリートに近いと思います。彼の作品はどちらかと言うと根源的な問いを含んでいることが多く、そこに魅かれているのだと思います。
この『漂流』は、沖縄のマグロ漁師に取材したもので、角幡氏自身の「冒険・探検」ではありません-一応追体験なさってますが-。私達が考える日常とは違う日常を生きる漁師たち、陸の人間とは違う常識に生きる人々、陸の日常から海の日常へと突き動かされる心理、ちょっと恐ろしい感覚ですが、それらが書かれています。
沢木耕太郎の『凍』も中々寒くなる本でしたが、この『漂流』はねっとりとした亜熱帯の海風の持つ魔力を感じました。
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