2017年12月17日日曜日

本:『双子は驢馬に跨って』金子薫(河出書房新社)12月

『双子は驢馬に跨って』金子薫
こちらは新聞の書評を読んですぐ予約。図書館に1冊の所蔵なので、1回待ちました。
これは面白かったですね。ファンタジーとも寓話ともつかない物語ですが、一番先に想起したのはなぜか『ドン・キホーテ』。そして村上春樹の作品群。
『ドン・キホーテ』は驢馬という単語のせいでしょう。そして、村上春樹を思ったのは、狭いところに閉じ込められるというところと、双子が旅するというところでしょうか。「旅」という点では、カズオ・イシグロの『忘れられた巨人』も思いました。
そう、日本的じゃないという感じ。旅の始まりは日本を感じるのに、旅が進むとどんどんイタリアやフランスやスペインという土地を感じるようになりました。
物語の終わり方には納得できない方がほとんどかと思いますが、小さな白と黒の世界に没入する親子と、思い出を拾いながらまた旅立つ双子の姿は世界の断絶とつながりを感じて、結構好きでした。
この作者の作品、他のも読んでみます。


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