2018年3月31日土曜日

本:『長いお別れ』中島京子(文藝春秋)

『長いお別れ』
先週の上京のおり、機会が会って中島京子さんの講演をお聞きしました。作品は結構読んでいたつもりだったのですが、読み逃しているのものあります。講演会で話題になった『長いお別れ』を読みました。
深刻な題材ですが、登場人物たちがエキセントリックじゃないところがとてもいいなぁと思いました。父も母も姉妹もその連れ合いたちも孫たちも、みな普通の感覚の持ち主で、善良な市民。それでも色々な問題は駆け足で日常生活に覆いかぶさってくるわけです。深刻な場面でもユーモラスな感情を忘れないのは、この作家の絶妙なバランス感覚というか、 豊かな人間性の賜物でしょうか。
結構身につまされるところもあるわけですが、自分の日常を再度、見つめなおさねばと思った次第です。

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