「THE BIG FELAH ビッグ・フェラー」
ニューヨークを舞台に、IRAの活動家たちの30年を描いた作品。最後「そして誰もいなくなった」になる運命に絡め取られた人々の物語です。
非情でありながら情に深い。いい加減でありながら、最後の線は崩さない。どこか可笑しくありながら、悲しみに満ちている。そして運命は残酷だ…。
7人の役者さんのデコボコ感がとても良いと思いました。誰ひとり「似た人」がいない。それぞれがそれぞれの登場人物として目の前に現れる。それぞれがそれぞれの信念、運命、仕事に真面目に向き合っている様が、強くそして悲しく伝わってきました。「嘘」の無い世界が展開されていくのです。
7人を選んだ演出家に拍手!!
2014年5月25日日曜日
展覧会:「ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館 華麗なる貴族コレクション」 bunkamuraザ・ミュージアム 5月22日(木)昼
「ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館 華麗なる貴族コレクション」
イタリアの絵画コレクションって好きなんです。明るさが有るというか、人間を肯定的に評価するコレクションが多いような気がします。今回の展覧会もそんな作品が多いように思います。チラシにもなった横顔も若い女性も生き生きしています。
ちょっとびっくりはボッティチェッリの絵。アリマタヤのヨセフ、サヴォナローラ入ってない?(笑)。
同時代の作家の作品をコレクション(または作家に依頼して作らせて結果のコレクション)するという個人コレクションというのは、「ある傾向」が必ず感じられるのですが、このペッツォーリコレクションは、それがあまり感じられません。彼の生きた19世紀より古い時代の作品コレクションだらでしょうか?
イタリアの絵画コレクションって好きなんです。明るさが有るというか、人間を肯定的に評価するコレクションが多いような気がします。今回の展覧会もそんな作品が多いように思います。チラシにもなった横顔も若い女性も生き生きしています。
ちょっとびっくりはボッティチェッリの絵。アリマタヤのヨセフ、サヴォナローラ入ってない?(笑)。
同時代の作家の作品をコレクション(または作家に依頼して作らせて結果のコレクション)するという個人コレクションというのは、「ある傾向」が必ず感じられるのですが、このペッツォーリコレクションは、それがあまり感じられません。彼の生きた19世紀より古い時代の作品コレクションだらでしょうか?
展覧会:「石の世界と宮澤賢治」 国立科学博物館 5月22日(木)午前
「石の世界と宮澤賢治」
地味な展覧会ですが、賢治ファンンは堪えられないラインナップでしょう、何しろ、作品に登場する鉱石を一堂に見ることができるのですから、尚且つ、登場する作品の文章も紹介されているのです。賢治文学を深く知るにはとても重要な展覧会といえます。多分、今までもこういう研究はたくさんなされていたのでしょうが、一般にこうような形で展示されると嬉しいです。
国立科学博物館
この本館に入ったのは初めて。東博本館と同じように、この建物も文化財らしいです。吹き抜けのステンドグラスが美しく、お掃除も行き届いていて、 尚且つ校外学習の中学生しかいないという人口密度の低さの為、フロアの休憩椅子に座っているだけで優雅なひとときでした。
地味な展覧会ですが、賢治ファンンは堪えられないラインナップでしょう、何しろ、作品に登場する鉱石を一堂に見ることができるのですから、尚且つ、登場する作品の文章も紹介されているのです。賢治文学を深く知るにはとても重要な展覧会といえます。多分、今までもこういう研究はたくさんなされていたのでしょうが、一般にこうような形で展示されると嬉しいです。
国立科学博物館
この本館に入ったのは初めて。東博本館と同じように、この建物も文化財らしいです。吹き抜けのステンドグラスが美しく、お掃除も行き届いていて、 尚且つ校外学習の中学生しかいないという人口密度の低さの為、フロアの休憩椅子に座っているだけで優雅なひとときでした。
舞台:オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師」 新国立劇場 オペラパレス 5月17日(水)19:00~
学生時代、オペラ好きの方に「一番良いのは何?と聞いたときのお返事が「カヴァレリア・ルスティカーナ」でした。その後、1幕ものなので、「道化師」または「ジャンニ・スキッキ」と組み合わされることが多いと知りました。出来ればヴェリズモものの組み合わせでとと思っていて、今回、初めて観ることができました。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」
音楽の構成が素晴らしいです。アリア、コーラス、器楽の組み合わせ、聞き手の感情にピッタリくるまさに名作。有名な間奏曲、オルガンが入って演奏されましたが、これはいつもそうなの?復活祭という宗教的な色彩の濃いバックボーンを活かす演出なのでしょうか?
主役二人の歌声が素晴らしく、聴き惚れました。
「道化師」
「道化師」は以前TVでカラヤンのものを観て、とても面白いオペラ(芝居として)と思った作品です。登場人物のキャラがそれぞれしっかり立っていて、運命に逆らえない暗さが、劇中劇(コミックデラルテ)の明るさとは反対の方向へ向かう悲劇が強く迫ってきます。
シチリアのギリシャ時代の廃墟で起こった悲劇という空間、電飾の華やかさ、極彩色の芝居小屋に囲まれた空間で起こる事件の凄惨さ、それらが際立つ装置が美しかったです。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」
音楽の構成が素晴らしいです。アリア、コーラス、器楽の組み合わせ、聞き手の感情にピッタリくるまさに名作。有名な間奏曲、オルガンが入って演奏されましたが、これはいつもそうなの?復活祭という宗教的な色彩の濃いバックボーンを活かす演出なのでしょうか?
主役二人の歌声が素晴らしく、聴き惚れました。
「道化師」
「道化師」は以前TVでカラヤンのものを観て、とても面白いオペラ(芝居として)と思った作品です。登場人物のキャラがそれぞれしっかり立っていて、運命に逆らえない暗さが、劇中劇(コミックデラルテ)の明るさとは反対の方向へ向かう悲劇が強く迫ってきます。
シチリアのギリシャ時代の廃墟で起こった悲劇という空間、電飾の華やかさ、極彩色の芝居小屋に囲まれた空間で起こる事件の凄惨さ、それらが際立つ装置が美しかったです。
舞台:「テンペスト」 新国立劇場中ホール 5月21日(水)14:00~
「テンペスト」
白井晃さんらしい洗練された演出。アフタートークで「世界でいちばん小さいテンペストを創る」というコンセプトでの演出とのこと。中ホールの奥行きを活かした舞台美術が斬新。段ボールが積み上げ、崩し、物語が進む。台車やクレーン、そしてヘルメットの作業着姿の方々が段ボールを積み替えることで舞台設定が進んでいく。どこかの島の港のありふれた風景とも重なり、日常と非日常が入り混じって見えました。
先年観たコクーンでの「十二夜」(串田和美演出)で感じた「嵐で家族を失ったヴァイオラを慰めるために、村人たちが難破船の前で演じた一夜の夢の舞台なのだ」という感想と同じものを今回の舞台でも感じました。「死ぬ前にプロスペローが見た幸せな未来の夢」かも知れないと。
アフタートークでは色々興味深いお話も聞けて、楽しかったです。
白井晃さんらしい洗練された演出。アフタートークで「世界でいちばん小さいテンペストを創る」というコンセプトでの演出とのこと。中ホールの奥行きを活かした舞台美術が斬新。段ボールが積み上げ、崩し、物語が進む。台車やクレーン、そしてヘルメットの作業着姿の方々が段ボールを積み替えることで舞台設定が進んでいく。どこかの島の港のありふれた風景とも重なり、日常と非日常が入り混じって見えました。
先年観たコクーンでの「十二夜」(串田和美演出)で感じた「嵐で家族を失ったヴァイオラを慰めるために、村人たちが難破船の前で演じた一夜の夢の舞台なのだ」という感想と同じものを今回の舞台でも感じました。「死ぬ前にプロスペローが見た幸せな未来の夢」かも知れないと。
アフタートークでは色々興味深いお話も聞けて、楽しかったです。
コンサート:「ハイドン・ロンドンセット・ツィクルスⅢ」 しらかわホール 5月17日(土)16:00~
プログラム
「ハイドン・ロンドン・セット・ツィクルスⅢ」
ハイドン:交響曲第95番ハ短調Hob.Ⅰ-95
ハイドン:トランペット協奏曲変ホ長調Hob.Ⅶe-1
ハイドン:交響曲101番ニ長調Hob.Ⅰ-101『時計』
トランペット協奏曲をいう音楽を聴いたのは初めて!管楽器の中でも一番華やかで張りのある音色のトランペットは、テノール歌手を連想します。伸びやかな音色、豊かな響き、素晴らしいひと時でした
「ハイドン・ロンドン・セット・ツィクルスⅢ」
ハイドン:交響曲第95番ハ短調Hob.Ⅰ-95
ハイドン:トランペット協奏曲変ホ長調Hob.Ⅶe-1
ハイドン:交響曲101番ニ長調Hob.Ⅰ-101『時計』
トランペット協奏曲をいう音楽を聴いたのは初めて!管楽器の中でも一番華やかで張りのある音色のトランペットは、テノール歌手を連想します。伸びやかな音色、豊かな響き、素晴らしいひと時でした
無量寿寺:杜若 5月16日(土)午後
展覧会:「レオ・レオニ 絵本の仕事」 刈谷市美術館 5月16日(金)午前
「レオ・レオニ 絵本の仕事」
東京bunkamuraミュージアムでは、すっごい人人でしたが、こちらの会場はゆっくり拝見できました。幹事さんのおかげで、学芸員の方の解説もお聞きすることができて、大変有意義なひとときでした。作品への多彩な手法でのアプローチは、原画を観ることでしか感じ取れないことです。出来上がった絵本も素晴らしいですが、このアプローチを知ることができる展覧会は、とても面白かったです。
東京でもグッズ売り場で足が止まって…大変(!)でしたが、今回も「買わない!」と言いながら、やっぱり手が出てしまう可愛さ!でデザイナーとしてのレオニの才能を認識した時間です(うう)。
東京bunkamuraミュージアムでは、すっごい人人でしたが、こちらの会場はゆっくり拝見できました。幹事さんのおかげで、学芸員の方の解説もお聞きすることができて、大変有意義なひとときでした。作品への多彩な手法でのアプローチは、原画を観ることでしか感じ取れないことです。出来上がった絵本も素晴らしいですが、このアプローチを知ることができる展覧会は、とても面白かったです。
東京でもグッズ売り場で足が止まって…大変(!)でしたが、今回も「買わない!」と言いながら、やっぱり手が出てしまう可愛さ!でデザイナーとしてのレオニの才能を認識した時間です(うう)。
2014年5月17日土曜日
舞台:「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」 穂の国とよはし芸術劇場 5月3日(土)14:00~
「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」
豊橋まで出かけました。作・演出の田尾下哲さんが昨秋演出された「蝶々夫人」がとても面白かったので、興味を魅かれたのです。
まず、会場について
穂の国とよはし劇場 が出来てから初めての来場。こじんまりした作り、駅からのデッキは、紀伊國屋サザンシアターみたいですが、中の作りはさいたま風でしょうか。大ホールでの公演も機会が有れば来てみたいです。名古屋~豊橋の電車の便がもう少し良ければ…とも思いますし、どうして名古屋にこんな「箱」ができないのか???とも強く思う次第です。
芝居は、とても上手に作られた観念的な内容のもの。史実で文学・絵画作品になっている話とのこと。今回は、絵を描いた画家が狂言回しの役回りをになっていました。
美術館でも、1枚の絵から深い物語を感じることが有ります。その感情を掘り下げていくと一つの物語が生まれるのでしょう。
豊橋まで出かけました。作・演出の田尾下哲さんが昨秋演出された「蝶々夫人」がとても面白かったので、興味を魅かれたのです。
まず、会場について
穂の国とよはし劇場 が出来てから初めての来場。こじんまりした作り、駅からのデッキは、紀伊國屋サザンシアターみたいですが、中の作りはさいたま風でしょうか。大ホールでの公演も機会が有れば来てみたいです。名古屋~豊橋の電車の便がもう少し良ければ…とも思いますし、どうして名古屋にこんな「箱」ができないのか???とも強く思う次第です。
芝居は、とても上手に作られた観念的な内容のもの。史実で文学・絵画作品になっている話とのこと。今回は、絵を描いた画家が狂言回しの役回りをになっていました。
美術館でも、1枚の絵から深い物語を感じることが有ります。その感情を掘り下げていくと一つの物語が生まれるのでしょう。
京都南座見学 4月24日(木)
「京都南座見学」
春の京都へ。今回は「南座舞台見学」を入れました。観客席ではなく、舞台の上に乗って、セリや回り舞台も体験しました。
「バックステージツアー 」はさいたま芸術劇場でも参加しましたし、名古屋でもオペラの舞台裏見学に行きました。でも、舞台機構を体験したのは初めて!
関西らしい「トーク」も楽しく、1回は体験することをお勧めします!
春の京都へ。今回は「南座舞台見学」を入れました。観客席ではなく、舞台の上に乗って、セリや回り舞台も体験しました。
「バックステージツアー 」はさいたま芸術劇場でも参加しましたし、名古屋でもオペラの舞台裏見学に行きました。でも、舞台機構を体験したのは初めて!
関西らしい「トーク」も楽しく、1回は体験することをお勧めします!
コンサート:「バッハ・コレギウム・ジャパンーマタイ受難曲」 愛知県芸術劇場コンサートホール 4月20日(日)15:00~
バッハコレギウムジャパン「マタイ受難曲」
ソリストは皆さん良かったが、特にエヴァンゲリストの方が素晴らしかった!後で、エヴァンゲリストとして最後のステージと知りました。
聖書を読むことで知っている「物語」ではありますが、3時間を超えて人の声で語られると、一層理解に深みが出てくるように思いました。教会堂で聞く機会が有りますように!
ソリストは皆さん良かったが、特にエヴァンゲリストの方が素晴らしかった!後で、エヴァンゲリストとして最後のステージと知りました。
聖書を読むことで知っている「物語」ではありますが、3時間を超えて人の声で語られると、一層理解に深みが出てくるように思いました。教会堂で聞く機会が有りますように!
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