2025年6月30日月曜日

展覧会:「没後40年 鴨居玲展 見えないものを描く」美術館「えき」KYOTO 6月29日(日)夕方

「鴨居玲展」
鴨居玲の名を知ったのは、京都に住んでいた頃の友人が、鴨居羊子のファンだったからです。『わたしは驢馬に乗って下着をうりにゆきたい』という本も紹介してくれましたー結局本は読まなかったけど-。その友人は、鴨居羊子作のちょっとエロティックな人形も持っていました。とても「孤独な姉と弟」だと教えてくれたのが印象に残っています。今回鴨居玲の作品をじっくりと観ることができました。自分を覗き込むような自画像の数々、鏡を見るような酔っ払い。レンブラントの絵を連想します。そして無宗教だった彼の描く教会は、どこかこの世ではないどこかを思わせます。静かなファンが多くいることでしょう。
会場入口

展覧会:京都国立近代美術館 令和7年度第1回コレクション展 6月29日(日)午後

常設展、この美術館。肖像品がとても多いので、特別展でお邪魔したときは、必ず常設展にも足を運びます。
三島喜美代の作品。TVで拝見したとき、そのあまりの「関西のおばちゃん」の風貌とおはなしの仕方にびっくりしたのと、その作品の斬新さに二度びっくりでした。今回京都で出会えたのは小型の作品。次回はもっと大きな作品に出合いたい。
マティスの「ジャズ」シリーズ。こちらの美術館も所蔵してるのね!中々全作品を一度に拝見できないのですよ!

展覧会:「若きポーランドー色彩と魂の詩1890‐1918」京都国立」近代美術館 6月29日(日)昼

「若きポーランド」
ヨーロッパの中央に位置するポーランドは、大国に挟まれ翻弄された歴史を持つ国です。その国の画家たちが19世紀末から20世紀の始めに描いた作品の展覧会。クラシックな作品、印象派風の作品、ロシア風の作品…しっかり楽しめました。会期最終日、名残を惜しむ人々が訪れているようでした。
やはりこの作品は印象的「夜明けのプランティ公園」
買うならこのかわいい切り絵「オンドリ」「リス」
ヨーロッパによくみられる国難に目を覚ます「眠れる騎士」の伝説のあるタトリ山地の「日没のギュヴォント山」。とても惹かれます。

映画:「フロントライン」ミッドランドスクエアシネマ 6月26日(木)13:10~15:25

フロントライン
公開3週目に入ろうかという日に鑑賞。うん、よくできてますね。実話が素になっていますから結末は判っているわけですが、やっぱり「その時の判断」にはドキドキします。誰でも大事な人を前にしたときの決断・後悔・希望ってありますものね。また今度こういうことが起こったら…私たちはどうすれば良いのか…考えます。

2025年6月24日火曜日

風景:福井県立恐竜博物館 6月21日(土)-22日(日)

福井県立恐竜博物館
名古屋からは4時間近くかかりました。でも、恐竜に特化した素晴らしい博物館です!様々な恐竜に出合え、まさにジュラシックワールドですね。二日目には「化石発掘体験」もしました。力仕事です!
この動く模型はリアル感がすごい!目が合うとちょっとこわいかも??
ウミユリの化石は優しく、想像が膨らみます
内部を見下ろすとジュラシックワールドです
レストランでいただいたパフェ。恐竜が乗ってます
駐車場の車止めも…恐竜

2025年6月20日金曜日

本:『最後の鑑定人』岩井圭也(角川書店)

『最後の鑑定人』岩井圭也(角川書店)
ドラマになるそうなので図書館で借りました。とてもまっとうなミステリーです。地味と言えば地味かな。個人的には面白く読めました。帯の「化学は嘘をつかない。嘘をつくのはいつだって人間です」という言葉は、現実世界の科学ニュースでもよくあること。そして「科学」に限らないですよね。

2025年6月17日火曜日

本:『間の悪いスフレ』近藤史恵(東京創元社)

『魔の悪いスフレ』近藤史恵(東京創元社)
「ビストロ・パ・マル」シリーズ4冊目。安定のシリーズです。出てくるお料理も美味しそうですし、「謎」も身近なテーマであり身近な人々。そしてそれを解くパ・マルの面々のやさしさが嬉しいですね!これからも続くことを願っています。

2025年6月15日日曜日

舞台:「ずれる」イキウメ ABCホール 6月14日(土)13:00~

「ずれる」
イキウメの舞台を観に大阪へ。緊密なアンサンブルは「劇団」ならではです。大きな仕掛けではなく、言葉で観客の気持ちを動かしていく所にも惹かれます。今までの作風とは少し変わったように思いますが、劇団としても一つに区切りという話も聞きました。前川さんはじめ、これからどうなっていくのでしょうか?

2025年6月12日木曜日

風景:ガクアジサイ

ガクアジサイ
梅雨の晴れ間、公園でガクアジサイを見つけました。青にほんのりピンクが混じっていて、涼やかです。

映画:「国宝」ミッドランドスクエアシネマ 6月11日(水)12:25~15:25

「国宝」
新聞連載時から読んで、単行本になってからも拝読しました。一気に読ませる小説です。それが映画に!ということで出かけました。平日の昼間なのに8割の入り、ただし年齢層は高い、ときおりカップル。これからどんどん入りが良くなるのでしょうか?さて。映画ですが、歌舞伎のシーンはとても美しい。見事な仕上がりです。鴈治郎さんに感謝。二人道成寺と曽根崎心中は印象的。技術的にもかなりのものだと思いますが、喜久雄と俊介の間に流れる感情が描き出されます。そして鷺娘の無常観。この映画の主題なのでしょう。小説ファンとしては、トリックスター的存在の喜久雄の幼馴染がちょっとしか出ないのが…ですが、これは3時間の映画では無理かしら?それにしても「万菊」の存在感はすごい。ラストシーンは…これは伝統芸の宿命?ところで、お客さんの年齢層が高いせいか、最後のエンドロールが始まると早々立ち上がる方が大勢、皆さんお疲れ様でした。

2025年6月11日水曜日

本:『契り橋 商い世傳金と銀特別巻上』『幾世の鈴 商い世傳金と銀特別巻下』高田郁(角川春樹事務所)

『契り橋』『幾世の鈴』高田郁(角川春樹事務所)
TVドラマで拝見し、13編を読むのは…ということで、特別編を読みました。『みをつくし料理帖』もドラマで拝見して「いいな」と思っていました。ありますけどちょっとご都合主義のところもありますけど、知らないことも多くとても面白く読めました。この「特別編」は、脇役の人たちの人生が丁寧に描かれていて、そこが心温まる中編に仕上がっています。ついつい「あの人は?」「あの店は?」と思います。きっといつか書かれることでしょうね。待ってます!

2025年6月8日日曜日

本:『わたしだけのアイリス』源孝志(河出書房新社)

『わたしだけのアイリス』源孝志(河出書房新社)
ドラマか終了から3か月、ようやく順番が回ってきました。原作はドラマとほぼ一緒です。そして、この小説はドラマ化されて一層美しさが増したと思いました。様々な自然の紡ぎだす色が、鮮やかに画面に描かれていたと思います。その分、「絵」はいまいちだった…かな?シンディ・ローパーのエンディングソングも良かったですし、主人公が色々なしがらみから解放される様子は、置かれた立場や能力は違えど、映画「バクダッド・カフェ」を思い出しました。

風景:クチナシ

一重のクチナシ
クチナシが咲き始めました。まずは一重から。隣には八重の蕾もあります。白い花なのですぐ茶色になりますが、その香りは馥郁たる香り。かなり離れても香ってきます。もうすぐ梅雨ですが、雨の中、香りを楽しみたいです。

舞台「マクベス」シェイクスピアシリーズ2nd Vol.2 刈谷市総合文化センター アイリス大ホール 6月6日(金)14:00~17:10

マクベス
シェイクスピアの戯曲の中では、「マクベス」は一番観ているような気がします。高校生の時みた劇団雲(神山繁さん)から始まって、段田安則さんのや、新幹線☆の「メタルマクベス」そして市村正親さんの「NINAGAWAマクベス」。昔話風の展開が、ストレートプレイ、ちょっと変わった演出、改変と、妄想が膨らむ作品なのだと思います。今回は、ストレートプレイ系かな。「活劇」としては面白い展開になっていましたが、できれば、もう一つ「言葉による言葉の奥底にある真実」「笑いの場が凍り付く恐怖の場に変わる」を感じられたらうれしかったかも…ちょっと欲張り???
マクベス縁の蒸溜所、ロイヤル。ブラックラのお酒がロビーに飾られていました。こういうところにシェイクスピアの歴史を感じます。

2025年6月5日木曜日

展覧会:「酒呑童子ビギンズ」サントリー美術館 6月4日(水)午後

酒呑童子ビギンズ
今回の出品作品のいくつかは前にも見たことがあるように思います。でも一堂にいろいろ拝見することができ、「酒呑童子」に、再度とても興味を持ちました。なんとなく知っている昔話の物語が「語られ 描かれ 演じられ」も歴史の中で生き生きと蘇ってきました。能「大江山」の映像上映は、絵巻を観ることで理解が深まり、舞台がぐっと身近に感じることができました。また、血みどろの絵巻が結婚調度に入れられたのは「武家の血」を重んじる気風のせいだった(同じころ、源氏物語の屏風も結婚調度に入っていたハズ)というのは、面白いと思います。こういう風に文化って伝えられるんですね。また、いつか拝見したい作品群です。

風景:ムラサキツユクサ

ムラサキツユクサ
雨上がり、道路脇に見つけたムラサキツユクサ。一日花です。あまり行儀のよい植物ではありませんが、皆に愛される花です。またどこかで出会えますように!

展覧会:「ルノワールとセザンヌ モダンを拓いた2人の巨匠」三菱一号館美術館 6月3日(火)夕方

ルノワールとセザンヌ 混んでるかなと思ったのですが(日本人は印象派が好き)、セザンヌって日本人好みじゃなし(私は大好き)と思いつつ足を運びました。お天気が雨だったせいか空いていてじっくり拝見することができました。ルノワールの暖かい暖色とセザンヌの寒色の対比という感じの展示です。
人物も対照的?
静物でも対照的?
お気に入りの作品はセザンヌのコレ

展覧会:「めぐるいのち 熊谷守一美術館40周年展」熊谷守一美術館 6月3日(火)

めぐるいのち
一度訪れたかった美術館。足を運びました。住宅街にひっそりとたたずんでいます。今回は家族を扱った絵が中心とのこと。息子さんの死に顔を描いた絵は、心を打たれますし、画家という人間の業も感じます。熊谷らしい絵が生まれていく様子もわかりますし、彼の画業を支えた周りの人々のこともちょっと触れられるキャプションが面白い(娘と孫を描いた絵はすぐ画商が持って行ったとか、熊谷の有名なコレクターの方が寄贈してくれた絵とか、美術館を開館するとき息子さんが「多くあった方が・・」と寄贈してくれたとか)。熊谷守一という人の像が浮かび上がってきます。