『ボランティアとファシズム‐自発性と社会貢献の近代史』池田浩士(人文書院)
新聞の書評を見て気になっていた本。私も「地域でのボランティア活動」をしている関係で興味を持ちました。基本的には専門書、特にファシズムとの関係を研究されています。
自発的と言いながら、どこかで「上からの無言の圧力」に変わっていく様子を論じていますが、ボランティア活動が陥りがちな「独りよがり」の持つ危険性も十分感じることが出来ました。
「正しいとされていることを、その困難さゆえに回避するのではなく、進んで行ない、しかもそれを自分のためではなく他者のためにするーこれを実行しているときという思いをいだくとき、人は自分自身も周囲の現実も見えなくなりがちだ………その自分の行ないが現実のなかでどのような意味を持つのか、この現実のなかで生きる誰にとって具体的に意味を持つのかを、あらためて問う……」(P285より)
常に心していたい文章です。
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