2011年2月28日月曜日

本:「歌うクジラ上・下」村上龍 講談社


『歌うクジラ上・下』村上龍 講談社
娘に買わせました。読み出しはちょっと苦労しましたが、「上」はかなりすらすら読め、「絵」が浮かんでくるようになると中々面白く読み進みました。ゲーム世界のような街やスタジアム、SF映画のような荒廃、そして奇妙な日本語の狂ったリズムがザワザワ感があって面白い。でも、「下」がしんどかったです。特に27章以降を読むのに何日かかったか…。最後の最後のイメージはとても綺麗なんですが。
ところで、「クジラ」が出てこないのよね、どこかで「歌うクジラ」が出てくると思い込んでいたので、そこは唖然でした。
村上龍は好きな作家なのですが、時に読むのに苦労します。SFではなく、「言語小説」なんじゃないかなと思う。翻訳不可能の作品ですし…。主人公の名前が「アキラ」になっているので、当然ですが、大友克洋の「AKIRA」を連想しましたが、あまり意味は無いのかも。

舞台:「時計じかけのオレンジ」刈谷市総合文化センター大ホール 2月27日13:00~



「時計じかけのオレンジ・大楽」5回目 2月27日13:00~ 1F- 3列24番
ついに大楽。グッズ売り場も品切れが…。

カーテンコールの登場が・・・!
桜木健一さん「柔道一直線」(判る人は年齢が…)ドルーク三人組は「犬のおまわりさん」、石川禅さん「バッハ・カンタータ」、キムラ緑子さん「モンロー」、吉田鋼太郎さん「また逢う日まで」・・・・・・。
そして大量の銀紙と「オレンジ」。ピン球オレンジには、サインのあるものもあったようです-残念ながら私のゲットしたのは、発泡スチロールにオレンジでした。
山内さんの「鋼鉄番長も無事終了~」という後説で始まった挨拶も、小栗さんから突然振られた高良さんの「ええ??(涙)」や武田さんの手慣れた挨拶、橋本さんと石川さんのアカペラ合唱等々・・・。
「東京の帰らなきゃいけないので」という小栗さんからの「皆で三本締めで」の声で、会場全員で三三七拍子三本締めで終了。
コンサートライブみたいなカーテンコールで、とても楽しかったです-ナマ演奏が生きた!-。
って、物語の内容は結構ダークなのにね!
この公演で出演者の方々が何を得たのか、また何かの本で読んでみたいと思います。

それにしても5回は多かったかしら?
東京を取ってから、愛知公演が発表になったし、
東京も、家族の用事等予定が立たずかなり偏ったチケット取りになりました。
最近はチケットの売り出しがとても早かったり、他の公演日程発表待ちもしなければならず、
遠征計画を立てての観劇はたいへん!!

かしこいモリー2月26日(図書館でのおはなし会にて)

新しくできた図書館で新しく始める「おはなし会」。対象を小学生以上と考え、ブックトークを中心にしていこうと決めました。
新年度5月からのスタートを目指し、今回は「お試し」の回。ストーリーテリングには馴染みのない子どもたちにも楽しいんで貰いたいと思い、おはなしは定番中の定番「かしこいモリー」を選びました。
もう何回も図書館や学校で語っていますが、初めての場所・初めての聞き手を前にするとやっぱり緊張しました。幸い(?)、他の語りグループの知り合いの方がとても楽しそうに聞いて下さったので語るうちに緊張が解けていきました。
あー、やっぱり「定番」は底力があります!
しっかりお話の世界を旅する子どもたちの気持ちが伝わってきて、本当に充実した10分間でした。

後半のブックトークがこのおはなし会の主眼ですが、お話もしっかり楽しんで心に残るものにしていきたいです。司書さんたちも熱心で、とても心強い。良いスタートが切れました!

舞台:「ろくでなし啄木」天王洲 銀河劇場 2月24日13:30~


「ろくでなし啄木」2回目 2月24日13:30~ 1F-G列30番

舞台:「南へ」NODA・MAP第16回公演 東京芸術劇場 2月23日19:00~


NODA・MAP第16回公演「南へ」2月23日19:00~ 1F-L列8番

舞台:「わが友ヒットラー」コクーン 2月23日13:30~

「わが友ヒットラー」2月23日13:30~ 1F-O列11番

東京子ども図書館第411回月例お話会-『子どもに語るイギリスの昔話』出版記念-2月22日18:30~

2月22日(火)18:30~『子どもに語るイギリスの昔話』出版記念お話会
プログラム
1.ジャックの運さがし
2.世界の果ての井戸
3.三つの願い
4.魚と指輪
5.フォックス氏
6.なんにもないない ななしっこ
7.ゴッタムのかしこい人たち-短編6話-
8.脳みそを買う

舞台:「二月花形歌舞伎」 ル・テアトル銀座 2月21日第一部12:30~ 第二部16:30~



「二月花形歌舞伎」2月21日(月) ル・テアトル銀座
第一部12:30~ 「於染久松色読販-お染の七役」 1F 24列23番
第二部16:30~ 「女殺油地獄」 1F10列14番

コンサート:バッハカンタータクラブ定期演奏会 藝大奏楽堂 2月20日18:30~

バッハカンタータクラブ第40回定期演奏会 2月20日(日)18:30~
プログラム
バッハ:カンタータ第4番「キリストは死の縄目に伏し」BWV 4
コレルリ:コンチェルト・グロッソ第8番ト短調「クリスマス・コンチェルト」
バッハ:カンタータ第20番「おお永遠、雷の言葉よ」BWV20

2011年2月19日土曜日

舞台:「白石加代子 百物語第二十八夜」ウィンクあいち大ホール 2月17日19:00~

「白石加代子 百物語第二十八夜」2月17日19:00~
  第91話「剣客商売 天魔」(池波正太郎)
  第92話「幻談」(幸田露伴)

今回は「時代物」。扇子一本だけで語られました。
第91話は、武家でもなく町人でもない剣客の風情、地上のモノでない存在の禍々しさを巧みに表現なさっていて、一つの絵が浮かび上がってきました。
第92話「幻談」は、無駄のない日本語の表現をきちんと焦点を定めてられて語られ、きりっとした出来あがり。素晴らしいの一言。
照明がかなり暗いので、ちょっと眠くなりますが、その眠りも「奇妙な話」の味付けのひとつのように思いました。
どちらの話も結末に「謎」が残るのですが、「幻談」は、海の中から竿が出ているという設定が「アーサー王の湖の剣」を思い出させました。
ところで、幸田露伴って読む人いるのかしら?娘にも「母は読んだことある?」って聞かれましたが・・・。
幸田露伴、田山花袋の二人は、時明治文学で必ず覚えさせられる作家ですが、「みんな名前は知っているが、みんな作品を読んだことが無い」ということになっているような…。
こういう形で幸田露伴に出会えるとは!

コンサート:ラン・ランピアノリサイタル 愛知県芸術劇場コンサートホール 2月15日18:45~

「ラン・ラン ピアノリサイタル」2月15日
プログラム
ベートーベン:ピアノ・ソナタ第3番ハ長調
ベートーベン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」

アルベニス:「イベリア」第1集
        エボカシオン
        港
        セビーリャの聖体祭
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調「戦争ソナタ」

ショパン練習曲 ラフマニノフ即興曲

この人を初めて見たのはTV。日本で行われたチャイコフスキージュニアコンクールの番組でした。不思議な色合いを湛えた大きな目と挑戦的にテーブルを叩く指が印象に残っています。
3年位前にも1度リサイタルを聞きましたが、その時は演奏曲のセレクトがふしぎな気がして、演奏自体は覚えていません。今回は、かなりオーソドックスな選曲。
後半のアルベニスが色合いが巧みに表現されていて、印象に残りました。ベートーベンは、テクニックは申し分ないのですが、やはり、そこに「それ以上」を期待したいと思ってしまいます。そこが、ベートーベンの難しいこところでしょうか?

2011年2月11日金曜日

コンサート:森麻季&福井敬 オペラ・デュオの妙技 しらかわホール 2月11日15:00~

森麻季&福井敬 オペラ・デュオの妙技
プログラム
グノー:オペラ『ファウスト』より宝石の歌「なんと美しいこの姿」(森)
フォーレ:夢のあとに(福井)
リスト:おお、夢に来せませ(森)
マスネ:オペラ『ウェルテル』よりオシアンの歌「春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか」(福井)
リスト:おお、愛せるだけ愛してください-愛の夢-(森)
グリーク:君を愛す(福井)
J.シュトラウスⅡ:オペレッタ『こうもり』より「侯爵様、あなたのようなお方は」(森)
レハール:オペレッタ『ほほえみの国』より「君はわが心のすべて」(福井)

ドニゼッティ:オペラ『愛の妙薬』より「すばらしい妙薬」~「ラララララ…」(福井・森)
ドニゼッティ:オペラ『愛の妙薬』より「人知れぬ涙」(福井)
ロッシーニ:オペラ「セミラーミデ』より「うるわしい光が誘惑する」(森)
ヴェルディ:オペラ『リゴレット』より女心の歌「風の中の羽根のように」(福井)
プッチーニ:オペラ『ラ・ボエーム』より「w他紙が街を歩くと』(森)
プッチーニ:オペラ『トゥーランドット』より「だれも寝てはならぬ」

乾杯の歌(『椿姫』)メリー・ウィドウワルツ(『メリー・ウィドウ』)

森麻季さんを1度ナマで聞きたいと思い行きました。
森さんも福井さんも、やっぱりプロの声楽家の声は素晴らしい!
2

映画:「エリックを探して」ゴールド劇場 2月10日


「エリックを探して」
ケン・ローチ監督の映画は、「麦の穂をゆらす風」を見ました。とても美しい映像、しかし、描かれている世界はとても辛い。そういう映画でした。今回の「エリックを咲かして」は、予告編を見る限り、そういう「辛さ」が無いように思えたので-新聞評でも-鑑賞を決めました。
さて、前半が長い…それを我慢すれば、後半物語が動き出すと面白い。冴えない主人公とその仲間たちの様子が、とても面白いのです。イギリス映画では、こういう展開ってよくあるかも。生まれた時からの幼馴染たちが、そのまま同じ所で大きくなり、同じ職場に就職し、毎週同じパブで気勢を上げる。その中で、一人の問題をみんなで共有し解決する。でも、流石ケン・ローチだと思ったのは、決して「心温まる展開」にはならないということ。別れた妻は別れたままだし-多少仲良くはなりましたが-、不良の息子もどうなることやらだし、主人公は相変わらず冴えないまま。ほんの「一歩」なんですよね。これが、ハリウッド映画なら、バーンと大団円なんでしょうね。
それにしても、サッカーを愛するイギリスの労働者階級の人々って、こんな人生なのかしら?「ここではないどこか」へ出発するなんてことは、絶対に考えない?
また、「サッカー」を「野球」に置き換えたら、日本でも考えられる物語?その時は「エリック・カントナ」は誰になるんでしょう?この映画、エリック・カントナをよく知っていたら、もっと面白く観られるに違いない!

2011年2月10日木曜日

舞台:「二月大歌舞伎」御園座 2月8日11:00~


「二月大歌舞伎」2月8日11:00~ 2F-13列右サイド
芦屋道満大内鑑-葛の葉-
勧進帳
与話情浮名横櫛-源氏店-

成田屋の「家の芸」勧進帳を一度見ておこうと思った今回、発売日前後に「いろいろあった」ため、かなり迷ったのですが、七之助も出るしねと、取りあえず購入。
「勧進帳」は、何年か前、同じ御園座で弁慶-幸四郎・富樫-染五郎で観ています。その時は、弁慶と富樫の気持ちのやり取りが主題だと思ったのですが、今回思ったのは、席が2Fだったせいもあり、この作品は「物語」を楽しむのではなく、囃子方や役者の胆力を観る舞踊劇に近いということ。だからこそ「名優」と言われる人の代表的舞台になるんだと思いました。今回は、舞台が遠いせいか、あまり「胆力」は感じられなかった…。
う~ん、歌舞伎ではなく、能の「安宅」で観る方がこの物語の奥行きを感じられるのかもしれません。「勧進帳」は有名ですが、観る方にとっても難しい作品です。
それにしても、入りが悪い…。まぁ、地味になったので仕方ないか。個人的にも本当は夜の部の「二人道成寺」の方が観たかった!!??

2011年2月6日日曜日

舞台:「大人は、かく戦えり」名鉄ホール 2月5日17:00~

「大人は、かく戦えり」2月5日17:00~ 5列センター席
 段田安則さんが好き。遊眠社解散公演で初めて観た時、ファンになりました。その後、出来るだけチャンスが有れば拝見いますが、特に記憶に残っているのは野田地図番外編「赤鬼」、シスカン「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?」の二本。あ、「贋作・罪と罰」や「藪原検校」のきりっとした役や「タンゴ・冬の終わりに」や「ロマンス」での中途半端な男の役も素敵でした。奥行きを感じさせる「闇」のある人物の造形がお上手だと思うのです。コメディでは「振り回され系」ですよね。
 さて「大人~」ですが、ウェルメイド系の物語だと思います。「玉ねぎ系」というか、登場人物たちは、着ている「鎧」「殻」をどんどん脱いでいくのに、次々新しい「鎧」「殻」が見えてきて果てしなく、建前も本音もぐちゃぐちゃになっていく。そして「振り出しに戻る」的展開。役者のセリフのやり取りと間合いを楽しむ物語。ですから、観客が入り込む隙はありません。純粋に技を楽しむ舞台だと思います。
 その点では、4人とも上手な方ばかりですから、とても楽しめました。上演時間も1時間20分と一気に集中して観ていられる時間。でも、こういう芝居って、なんだか物足りないと思うのです。余韻もないし・・・。これだけの手練れを使っているのですから、もう一つ「え…?」というラストを期待してみたい。
 ポランスキー監督で映画になるとのこと、どんな作品になるのかしら?