2013年12月28日土曜日

2013年を振り返って~ベスト選び~

ブログをチェック、手帳をチェックしてベスト選びを始めましょう。

2013年舞台(24本 30回観劇)
01月「祈りと怪物~蜷川版」コクーン
   「音のいない世界で」新国立劇場小ホール
02月「テイキングサイド」名鉄ホール
03月「三月花形歌舞伎」新橋演舞場
   「演芸」上野鈴本演芸場
04月「おのれナポレオン」東京芸術劇場プレイハウス
   「木の上の軍隊」コクーン
   「ヘンリー四世」さいたま芸術劇場
   「ゴドーは待たれながら」テレピアホール
05月「あかいくらやみ~天狗党幻譚」コクーン
   「 市原悦子朗読とお話の世界」アートピアホール
   「アジア温泉」新国立劇場中ホール
07月「盲導犬」コクーン
   「加賀美山岩藤」歌舞伎座
08月「ジュリアス・シーザー」 (子供のためのシェクスピアカンパニー)愛知県芸術劇場小ホール
   「日本の大人」(ままごと)愛知県芸術劇場小ホール
   「やさしさの万華鏡」HITOMIホール
09月「蝶々夫人」愛知県芸術劇場
   「九月花形歌舞伎-陰陽師」歌舞伎座
   「 ヴェニスの商人」さいたま芸術劇場
   「秋」(朗読)HITOMIホール
10月「MIWA」1回目東京芸術劇場プレイハウス
   「ムサシ」さいたま芸術劇場
   「魔笛」(プラハ歌劇場)愛知県芸術劇場
11月「MIWA」2回目東京芸術劇場プレイハウス
ベスト5(観劇順)
 「ヘンリー四世」
 「あかいくらやみ~天狗党幻譚」
 「蝶々夫人」
 「ヴェニスの商人」
 「MIWA」

2013年コンサート(23公演)
01月「チェロリサイタル」東文化小劇場
   「樫本大進&コンスタンチン・リフシッツ」しらかわホール
02月「小菅優リサイタル」電気文化会館
   「南吉とクライスラー」宗次ホール
03月「フランス音楽のエスプリ」宗次ホール
04月「スチュアート五重奏」宗次ホール
05月「ヒラリー・ハーン」しらかわホール
06月「ヴァイオリンで奏でるオペラファンタジー」宗次ホール
   「弦楽六重奏の夕べ」電気文化会館
   「ドビュッシーとミヨー 弦楽四重奏での邂逅」茗荷谷ラリール
   「タリススコラーズ」しらかわホール
   「加古隆40thアニバーサリーピアノコンサート」しらかわホール
07月「ハイドン・ロンドンセットNo1」しらかわホール
   「バッハ・コレギウム・ジャパン」しらかわホール
08月「酒井淳チェロリサイタル」宗次ホール
   「pue e pue」5/Rホール
09月「京都市交響楽団&沖仁」愛知県芸術劇場コンサートホール
10月「弦楽四重奏の調べに乗せる和と洋の心」渡辺音楽堂
11月「モーツァルトレクイエム弦楽四重奏」汐留ホール
   「マグダレーナ・コジュナ&プリヴァーテ・ムジカ」しらかわホール
   「パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団」 しらかわホール
12月「Schwingt Freudig Euch Empor」小松川さくらホール
   「ウィーン古典派を愉しむ」宗次ホール
ベスト3(聴いた順)
 「樫本大進&コンスタンチン・リフシッツ」
 「弦楽四重奏の調べに乗せる和と洋の心」
 「パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団」

映画(20本)
01月「もうひとりのシェイクスピア」伏見ミリオン座
   「ホビット 思いがけない冒険」ミッドランドシネマ
   「ゲキ×シネ 髑髏城の七人」ミッドランドシネマ
02月「レ・ミゼラブル」ミッドランドシネマ
   「二郎は鮨の夢を見る」伏見ミリオン座
   「塀の中のジュリアス・シーザー」名演小劇場
03月「愛、アムール」伏見ミリオン座
05月「相棒XDAY」ピカデリー
   「ハーブ&ドロシー二人からの贈り物」名演小劇場
   「カルテット!~人生のオペラハウス」伏見ミリオン座
   「天使の分け前」伏見ミリオン座
07月「25年目の弦楽四重奏」伏見ミリオン座
   「SHORTPEACE」ミッドランドシネマ
08月「少年H」ピカデリー
09月「キャプテンハーロック」109シネマズ名古屋
10月「人類資金」ミッドランドシネマ
   「そして父になる」ミッドランドシネマ
12月「ハンナ・アーレント」シネマテーク
   「鑑定士と顔のない依頼人」伏見ミリオン座
   「ジ、エクストリーム、スキヤキ」センチュリーシネマ
ベスト3(見た順)
 「二郎は鮨の夢を見る」
 「天使の分け前」
 「ハンナ・アーレント」

展覧会(17展)
02月「クリムト黄金の騎士をめぐる物語」愛知県美術館
03月「エル・グレコ展」東京都美術館
   「丸山応挙展」愛知県美術館
05月「貴婦人と一角獣展」国立新美術館
   「ドラマチック大陸」名古屋ボストン美術館
   「奇跡のクラークコレクション」三菱一号館美術館
   「ラファエロ展」国立西洋美術館
   「プーシキン美術館展」愛知県美術館
   「アントニオ・ロペス展」bunkamuraザ・ミュージアム
06月「レオナルド・ダ・ヴィンチ展天才の肖像」
   「夏目漱石の美術展」
07月「レオ・レオニの絵本の仕事」bunkamuraザ・ミュージアム
   「こねこのぴっち絵本原画展」銀座教文館
10月「中原淳一展」刈谷市美術館
   「レオナール・フジタ-ポーラ美術館コレクションを中心に」 bunkamuraザ・ミュージアム
   「ル・コルビュジエと20世紀美術」国立西洋美術館
 11月「ルオーとモロー聖なるものの継承と変容」パナソニック汐留ミュージアム
ベスト3(観た順)
 「丸山応挙展」
 「貴婦人と一角獣」
 「中原淳一展」

今年は観劇回数が少なかったですね。12月は0回ですし。一番感激したのは「蝶々夫人」だったように思います。オペラですが、「芝居」としてとても面白かったのです。演出が良かったのでしょう。
コンサートは割と多かったように思います。それぞれ個性的なコンサートが多かったです。これは選ぶのに考えました。
映画も興味をそそられる作品が多かったので、3本に絞るのは難しかったです。 「SHORTPEACE」を入れたりして、ベスト5にしたい!とも思ったのですが、分母が20ですからね、泣く泣く(?)切りました。
展覧会はもっと行っているかと思ったら、意外に少なかったです。こちらもビッグネームぞろい。パスした展覧会も結構ありました(ミケランジェロとか)。

ということで、一応今年のベストを選びました。



映画:「ジ、エウクストリーム、スキヤキ」 センチュリーシネマ 12月19日(木)12:45~

「ジ、エクストリーム、スキヤキ」
早く見ないと上演が終了してしまう…と出かけました(センチュリーシネマは水曜日がレディスデイなんですよね)。「鑑定士~」が朝イチでも結構埋まり、次の昼の上映回はびっくりするほどの人出だったのに比べ、こちら「ジ、エクストリーム~」は、6人(!)。
前田司郎の演劇は好き。TVドラマ「お買い物」、映画「生きてるものはいないのか」も中々面白かった。というわけで今回の映画に臨みました。
いやー、これの説明の無さは素晴らしい。折に触れて話題になる「人」はどんな事件(?)に会ったのか不明、冒頭シーンは一体いつのことなのかも不明、会話の中に出てくる様zな事柄もほとんどが中途半端。この「中途半端」は、前田司郎作品ではおなじみですが、普通の映画ではあり得ないことでしょう。
井浦新の表情が面白い。窪塚洋介ってやっぱりカッコイイ。
パンフ、やっぱり買えば良かったかしら???


映画:「鑑定士と顔のない依頼人」 伏見ミリオン座 12月19日(木)09:40~

「鑑定士と顔のない依頼人」
トルナトーレ監督の映画、ということで見に行きました。絵画鑑定士を主人公にしたミステリーなんですが、その犯罪自体は途中で 結構すぐわかる仕組みになっています。それよりも、時間・数字に彩られた「迷宮」がテーマなんだと思います(「プラハ」っていうのはカフカを連想しますよね)。
個人的にはトルナトーレ監督のミステリーはあまり好みじゃなのです。「記憶の扉」も「題名のない子守唄」も結構辛かった。
やっぱり家族や愛を題材にした「ニュー・シネマ・パラダイス」や「海の上のピアニスト」や「シチリア!シチリア!」が好きです。


映画:「ハンナ・アーレント」 12月9日(月)13:00~ シネマテーク

「ハンア・アーレント」
「ローザ・ルクセンブルク」を見たのは、20年以上前。でも強烈な印象を感じました。1900年という世紀の節目、寒い空の下、自分の信念を貫く姿は、美しくもありまた苦しいものでした。
同じ監督。女優が作ったのが「ハンナ・アーレント」です。
ユダヤ人のハンアがイスラエルで行われたナチのアイヒマンの裁判を傍聴し記事を書いたことを中心にした作りになっています。「凡庸な悪」を唱える彼女に、ほとんどの友人のユダヤ人が反対意見を述べるうえ、世論のほとんども彼女を糾弾するというくだりが凄い。
ここには、実際に被害を受けた当事者が気持ちの折り合いをつけるために「絶対的悪を体現するモノを罰すること」を求める気持と、起こった事象を客観的・科学的に分析しようとする視点の擦れ違いがある。この二つの見方は、決して交わることは無く、折り合うことはできない。
そして、「凡庸な悪」とは、誰もが「悪」になることを意味し、それは映画の登場人物のみならず、観客である私達に付きつけられる問題でもある。
この映画がどこまでノンフィクションなのかは知りませんが、最後の講義のところで、古い友人が「君は傲慢な人だ」と言って去っていくシーンは、普通の所謂「ヒューマンドラマ」なら「やっと君の意見を理解することができた」と和解するところ。でも、そうはならず、マンハッタンの夜の闇の中で孤独に思考し続ける彼女の姿は「美しくまたあまりにも苦しく辛い」のもでした。


金沢・富山へ 12月7日8日

金沢
久しぶりに叔母たち、そして同い年の従妹と女子会。大友楼の美味しいお弁当を用意してくださいました。
懐かしい話の花が咲き、瞬く内の5時間(!)でした。美人で有名だった(今も美魔女)従妹も春にはおばあちゃんになるそうです。時の経つのは速いものです。田舎の祖父母の家でかくれんぼをしたり、お互いの家のお泊りでは「我が家とは違うルール」に戸惑ったり羨んだり。私が一番羨ましかったのは、子供向けの世界文学全集が揃っていたこと。あそこで読んだ『クオレ』『ヴィーチャと学校友達』は今でも覚えています。

夜は合流した息子夫婦とお寿司へ。う~ん、冬の味覚はス・テ・キ!

8日
朝近江町市場へ。お休みのお店も多いのですが、シーズンとあって「蟹・かに・カニ」の大パレード。なかなか見事な眺めでした。
蟹は料理が大変なので、代わり映えはしませんが鰻のかば焼きを手土産に富山へ。皆元気そうで何よりです。




コンサート:「ウィーン古典派を愉しむ」 宗次ホール 12月5日(木)19:00~

「ウィーン古典派を愉しむ」
プログラム
ハイドン:ロンドン・トリオ 第1 番 ハ長調[フルート&ヴァイオリン&チェロ]
ベートーヴェン:セレナーデ 作品25[フルート&ヴァイオリン&ヴィオラ]
シュペルガー:コントラバス四重奏曲 ニ長調[コントラバス&フルート&ヴィオラ&チェロ]
モーツァルト:フルート四重奏曲 ニ長調 K.285[フルート&ヴァイオリン&ヴィオラ&チェロ]


冬の京都一乗寺 「恵文社一乗寺店」「つばめ」12月3日

「恵文社一乗寺店」
昔から色々噂を聞いている本屋さん。一度訪問したかった!今回お天気も良く友人と訪ねることができました。
これは!京都でしかありえない本屋さんかも…。取りあえず私が住居している名古屋では無理でしょう。商売になりません。水声社の本を店頭で見たのは初めてかも?というように、書評雑誌等で紹介されいる小さな出版社の本がずらりと並んでいるのです。保育社のカラー文庫が雑多に積み上げられているのもびっくり。新刊本を扱う都会の本屋さんではお目にかかれません。
本棚・平台、すべてが古いもののリサイクルユーズ。特に平台になっている机や展示に使っている飾り棚は、もう風情でまくりです。そして思うのです「京都以外ではあり得ない」と。この本屋さんを利用するお客の存在があってこその本屋さんです。

「つばめ」
このカフェも京都ならではのカフェ。町家を改装したオープンキッチンのお店ですが、選ばれた家具にまず目がいきます。これは名古屋ではあり得ない!町家を改装したカフェは名古屋でもありますが、この机やいすのセレクトでおしゃれで居心地良い空気感を出すのは、京都ならではと思うのです。名古屋にもこれに近いお店は有りますが、どうしても「安っぽい」というか「貧乏くさいか…もう少しなんとかならんか?」という気分になるのです。これは「お店の人 」にも左右されるのでしょうか?
とても美味しい定食でした。写真を撮るのを忘れたのが残念!



コンサート:「Schwingt Freudig Euch Empor」 小松川さくらホール 12月1日(土) 14:00~

「Schwingt Freudig Euch Empor」
ゲーム「ゼノギアス」のコンサート。アマ・プロ混合の幻樂団ですが、昨年より上手でした。ゼノギアスらしさもあり、聴衆は皆集中して聞き入っていた感じ。ピアノも効果的に入り、中々面白い演奏会でした。また、違うゲームの演奏会も楽しみにしています。

2013年11月30日土曜日

コンサート:「パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団」 11月23日(土・祝) しらかわホール 15:00 ~

「パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団」
プログラム
ベートーヴェン
歌劇「フィデリオ」序曲 op.72b
交響曲第4番 変ロ長調 op.60
交響曲第3番 変ホ長調 op.55「英雄」

ブラームス:ハンガリー舞曲第1番 
シベリウス:かなしきワルツ

音の響き、混ざり合い具合、そしてメリハリのついた勢い、とっても素敵でした。弦楽器は勿論、管楽器の響きにはうっとり。特に弱音の美しさは流石です。音が立体的に響いてくる心地よさは、ナマ演奏ならではのものです。こういう演奏を聴くと、また次のコンサートを!と思います。
ところで、ベートヴェンプログラムの場合、アンコール曲って?何になるのでしょうねぇ…。今回はブラームスのハンガリー舞曲-これはアンコールの定番ですけど-とシベリウスでした。もし、アンコールのベートーベンで行きたいと思ったら???どんな曲が有るのでしょうか???

コンサート:「マグダレーナ・コジュナ&プリヴァーテ・ムジカ」 しらかわホール 11月17日(日)15:00~

「マグダレーナ・コジュナ&プリヴァーテ・ムジカ」
プログラム
F.ヴィターリ:美しき瞳よ*
ディンディア:酷いアマリッリ*
G.カッチーニ:聞きたまえ、エウテルベ、甘い歌を*
プリセーニョ:カラヴァンダ・チャコーナ
メールラ:今は眠るときですよ*
サンス:カナリオス
ディンディア:お仇やかな春風がもどち*
B.マリーニ:星とともに空に*
G.フォスカリーニ:パッサメッゾ
モンティヴェルディ:苦悩はとても甘く*

G.カプスベルガー:トッカータ・アルペジアータ
G.カプスベルガー:わたしのアウリッラ*
ディンディア:ああどうかしら?もの悲しい哀れな姿のあなたが好き*
G.カプスベルガー:幸いなるかな、羊飼いたちよ*
G.フォスカリーニ:シャコンヌ
B.ストロッツィ:恋するヘラクレス*
サンス:曲芸師
メールラ:そう思う者はとんでもない*
モンテヴェルディ:ちょっと高慢はあの眼差し *
(*は歌)
バロック時代のサロンコンサートってこんな感じだったんでしょうね。ゆったりと音を楽しむという感じでしょうか。今の歌謡曲みたいな感じ??だからか、連れは、「いっぱい聞くとどの曲も区別がつかなくなってくるねえぇ」とのこと。器楽曲の中には、ドラマの劇伴かと思う曲も有りました。数年前聴いたフィリップ・ジャルスキーの演奏会も、こんな風で楽しかったです。


2013年11月27日水曜日

自由学園明日館 11月13日午前

自由学園明日館
数年前友人と見学に行きました。今回は娘と。怪しげな記憶を頼りに歩いて行ったのですが、私達の前を歩く上品なご年配の三人連れが!一人の方はグレーの手作り風スーツをお召しになっています。目指す所は一緒に違いない!!と踏んであとに続きました。これは大正解!!!(こういう、「この人、絶対私と同じところに行く人だ」と、駅で確信することありますよね)
池袋の喧騒がうそのような静かな住宅地の中に、自由学園明日館はあります。戦前のレトロな建物は、内も外もよくTV放送に出てきます(最近ではNHK美の壺“ブラウス”の回で登場)。「美の巨人たち」でも取り上げられました。
娘は、今も有る自由学園の教育方針に興味津々。男の子たちが自分の机と椅子を作る作業写真、農作業に始まる様々な季節の手作業 シーンは、懐かしい日本の生活の有り方を彷彿とさせます。明日館の備品の椅子・机も懐かしい。
付属のショップで買った「コンコンブル」。とても硬い乾パンに類するお菓子ですが、噛み締めるとその美味しさと作り手の方々の温かい想いが伝わるようです。


舞台:「MIWA」 東京芸術劇場中ホール 11月12日(火)19:00~

「MIWA」
2度目の観劇。
この作品は「少数者の立場の視点」の作品。サイレントマジョリティというこ言葉がありますが、サイレントマイノリティ(という言葉はありませんが…)はもっと多様であり、かつ、常にその声は「奇異」な目にさらされている。でも、よく考えれば誰もがサイレントなマイノリティになりうる。その存在・立場を無視することは、所謂サイレントマジョリティをも無視することに繋がることなのでは??と思いました。
罪なく死んでいゆくマイノリティ、定かではない定義によって貶めらるマイノリティ、一番大事に思っている人々から拒否されるマイノリティ、その苦しみ・辛さを描いた作品と言えるでしょう。
救いはどこにあるのか?救いの光はどこから射すのか?かつての野田作品にあった「救いは地平のかなた」という浮遊感は、すでに遠い過去なのだろうか。他者に救いを求めず、人それぞれがあがく必要を求められているようで、ちょっと苦い気持ちになり日常生活を反省する私です。

ところで、1回目の観劇の時「私キューバに行くわ」で思わず連想したのが、ヤマザキマリの漫画作品。キューバって、チェ・ゲバラ人気で60年代とってももてはやされたんですよね。でも、TVの報道等を見ると、いまだに「キューバ幻想」というか、「あそこにはなにがしかの“楽園”が存在している」という思いが人々にあるように思います-実際、“楽園”なの??貧しくともラテン的陽気な楽しい日々、医療は水準が高くタダ、芸術を結構保護…というTV番組や映画が紹介されています-。ロシアをはじめ社会主義の国が次々崩壊していく中で、どうしてキューバは生き残っているのか?フロリダに不法出国する人もとっても多いのに、どうして????という、本筋とは関係なことが頭をよぎりました。

展覧会:「ルオーとモロー 聖なるものの継承と変容」 パナソニック汐留ミュージアム 11月9日(土)午後

「ルオーとモロー 聖なるものの継承と変容」
コンサート前に展覧会を一つ。
パナソニックはルオーの作品をたくさん所蔵。それに合わせて、ルオーの先生に当たるモローの作品を対比展示するという展覧会。作品数はたくさんではありませんが、充実した展覧会です。でも、モローのの有名作品は残念ながら来日していません。やっぱりパリまで観にいかなければならないらしい。
ところで会場に設置されているパリ・モロー美術館を紹介する4Kビエラにはびっくり。まるで「窓の外の景色」を見るよう。東博でも竜安寺石庭の4K画像が展示中らしいですが、それもまるでお寺の縁側に座っているようと評判。技術はどこまで進歩するのかしら???そして、私を含め、パンピーはドンドン馬鹿になっていくような気が…する。

コンサート:「モーツアルト レクイエム 弦楽四重奏」 汐留ホール 11月9日(土)18:00~

「モーツァルト レクイエム 弦楽四重奏」
プログラム
ギヨーム・ルクー:弦楽四重奏のための「瞑想」
モーツアルト:レクイエム(弦楽四重奏版)

アンコール モーツァルト:アヴェヴァルムコルプス

合唱をなさるかたなら一度はトライしたい曲「レクイエム」。それもモーツァルトのものは色々「レジェンド」が付いて回る名曲。それも弦楽四重奏での演奏は、演奏者にとってかなりプレッシャーだったみたです。また、聴かせて下さいね。

本:「わたしは、わたし」(J.ウッドソン)鈴木出版

『わたしは、わたし』(J.ウッドソン)鈴木出版
この本も同じ講座で紹介された本。日本では考えられない「あること」を描いています。それは、裁判証人になって様々な脅迫を受けるようになった家族が、それまでの人生をリセットして全くの別人格として生きていくということを受け入れるということ。係累・居住すべての過去が新しく作られ、見も知らない新しい町で新しい名前で生きてくことを強いられる、命を守るとために…。
 これは、アイデンティティの喪失、それに耐える事、そして新たな獲得の物語。
これを読むと、辛い気持ちに なります。もどかしい気持ちになります。そして、最後は結構無力感に襲われます。だって、こんなことは想像もつかないことだから。
だからこそ、読んでほしいとも思います。この「違和感」をずっと心の中にとどめて、自分の周りの世界の矛盾に少しでも気づけるようになりたいと思います。

本:「あと少し、もう少し」(妹尾まいこ)新潮社

『あと少し、もう少し』(妹尾まいこ)新潮社
妹尾まいこさんは『図書館の神様』を読んだときから、好きな作家さんの一人になりました。でも、全部読んでいるわけではありません。今回の『あと少し、もう少し』は、9月に受講した講座で紹介されたので、興味を持って読みました。
登場人物それぞれの視点で描かれる「駅伝」。「繋ぐ」っていうのは、友情を表すキーワードですよね。こういう話は結構類型的というか、登場人物がステロタイプになりやすいのですが、この物語では、ギリギリ普通の男の子になっているところが良いなと思いました。青春ヒーローものも楽しいけど、こういう地味な世界を生きる青春もそれぞれ光っていて感動を与えてくれるんです。
頑張れ!!!


2013年11月6日水曜日

映画:「そして父になる」 ミッドランドシネマ 10月31日(木)12:20~

「そして父になる」
是枝監督の映画は割と好き。嘗ての「幻の光」やとても好きだった「空気人形」に比べると、今回の映画は結構エンタメ系?の仕上がりでしょうか?
それにしても子役の扱いは、本当に上手です。言葉では表現できないことを表情で語らせる演出はとても素晴らしい。また、ちょっと俗っぽいウザいオヤジ風のリリー・フランキーが、だんだん「いい人」に思えてくるのも演出の上手さでしょう。
カンヌで賞を取り、興行的にも成功しているので、また次回作、期待しています!


映画:「人類資金」 ミッドランドシネマ 10月31日(木)09:30~

「人類資金」
所謂陰謀モノの話。ミステリーというかサスペンスというか…。
個人的には森山未来の表情が好きでした。あと、コメディリリーフも可笑しかったです。
最後の「陰謀」はよくある話???

2013年11月4日月曜日

展覧会:「ル・コビュジエと20世紀美術」 国立西洋美術館 10月20日午後

「円卓の前の女性と蹄鉄」
「ル・コビュジエと20世紀美術」
「イタリア版画展―新収蔵品を中心に」
西洋美術館の設計をしたのはル・コビュジエ。その建物で、ル・コビュジエの展覧会が開かれました。企画展では「ミケランジェロ展」が行われているので、結構な人出。常設展会場で行われているこちらの展覧会にもいつもより多くの人が来ていました。
会場を入ってすぐの彫刻作品が面白いです。建築に進んだ人だけあって、やっぱり立体作品が面白い。
イタリア版画は収蔵品とのこと。粒ぞろいです。気に入ったのは、デッラ・ベッラの作品。
デッラ・ベッラ「トランペットを持ち馬に乗る死」





コンサート:「弦楽四重奏の調べに乗せる和と洋の心」 わたなべ音楽堂 10月20日(土)17:00~

「弦楽四重奏の調べに乗せる和と洋の心」
プログラム
ハイドン 弦楽四重奏曲op20-4
シューベルト 弦楽四重奏曲第十二番
山田耕作 弦楽四重奏曲第二番
安部幸明 弦楽四重奏曲第七番


雨の中、行ってきました。ウッディな素敵な会場でした。音の響きも素晴らしい。ヴァイオリン、上手!!

舞台:「魔笛-プラハ国立劇場」 愛知現芸術劇場第ホール 10月19日(土)15:00~

「魔笛」
行きに入りの演目。ベルイマンのビデオは何回観たか?モーツァルトの記念年には必ず上演され、TV放送もされます。個人的にはいつも「タミーノの見てくれ」が気になる演目でもあります。ベルイマンはOK。イギリス映画もギリギリロイヤルファミリーっぽくてOK。メトはダメ-レスラーか相撲取り-。やっぱり「王子様」を期待するのですよ。
やったぁ、今回はOKでした! 声も王子さまらしい涼やかなテノール。でももう少し大きい声と嬉しかったかも。
その他の出演者では、パミーナちょっと不安定な声だったのが気になりました。モノトナスはもう一工夫欲しい。ザラストロ、パパゲーノ、パパゲーナは安定感があって良かった-どの公演でもこの三人はハズレということが少ない。夜の女王はやっぱりこの演目の「目玉」。出演者の方もそれは承知しているのできちんと聴かせてくれました。
残念だったのは、合唱が薄かったこと。三人の侍女ももう少しだったし、三人の童子が女性だったのも残念-やっぱり童子だといかにもジングシュピールという感じがして好き-。
来日公演のせいか、舞台装置も若干スカスカしていて…。
9月の「蝶々夫人」が思いのほか良かったので、ちょっと採点が辛くなりました。





舞台:「ムサシ 2013年」 彩の国芸術劇場 10月9日(水)13:30~

「ムサシ 2013年」
初演2009年、再演2010年、そして再々演。戯曲としては、どんどん良くなっているように思います。
何しろ初演の時は、皆さん「自分で手いっぱい」という状態なのか、どこが大事かどこが繋ぎか、どこが泣かせどころかどこがコメディポイント か、力の入れ具合の加減が無くて、観客はずっと緊張を強いられていて疲れました。まぁ、それはそれで「力演」「緊張感」があって良かったのですけどね。今回はあっさり進むところも多く、物語として楽しめました。
でも、初演で一番好きだったシーン-武蔵と小次郎が旅支度の脚絆を巻くところ-があっさりしているのは物足りないと思いました。時々かわす二人の目線がなんとも言えず良くて、最後「友人です」という武蔵の台詞に繋がっていて好きだったのです。
帰り道「初演の時は“萌えシーン” もっとあったよね」と友人と話しました。そう、今回はあまり“萌え”が無かったです。どっちかというと、「コメディ色」が強くなっていました-特に武蔵が-。
時間を経て、配役が変わって、芝居も変化するのでしょう。

舞台:「MIWA」 東京芸術劇場中ホール 10月8日(火)19:00~

「MIWA」1回目
野田秀樹の新作。感想は11月の2回目を観劇後に。



展覧会:「レオナール・フジタ展」 bunkamuraザ・ミュージアム 10月8日(火)午後

「レオナール・フジタ展―ポーラ美術館コレクションを中心に」
今回「小さな職人たち」が多数展示とのことで、「いつか機会が有ったら“小さな職人シリーズ”の版画が欲しい」と言っている友人と行きました。
でも…オリジナルの絵は結構不気味…かも。なんというか、皮で作った人形を連想するのです。可愛いというより、グロテスクなイメージ。部屋に飾ると夢でうなされそうです。
友人も、「これはちょっと考える」という結論に。
1Fギャラリーの版画は気に入った作品もありました。以前も見たと思うのですが、女性の素描はとっても素敵。でもお値段も「素敵…400万円???」。ちょっと手が出ません。



2013年10月6日日曜日

展覧会:「中原淳一展」 刈谷市美術館 10月3日昼

美術館前
「生誕百年 中原淳一展」
子どもの頃、母がほとんどの洋服を作ってくれました。その子供服と、絵の上手な姉が折々描いてくれたスタイル絵を懐かしく思い出しながらの展覧会でした。あの頃、特別な夜会服以外は、フォーマルドレスもおしゃれ着も、肩を出すということがなかったんですよね。オードリースタイルも思い出しました。
入口
再現ドレス



部屋


朗読:「秋」 HITOMIホール 9月30日(月)15:00~

「秋」(音楽と朗読で過ごす豊かなひとときVOL.8)
プログラム
秋 芥川龍之介
トーク
ごんぎつね 新美南吉

少しずつ秋らしくなってきて9月末の朗読会。
下降する音に乗せて語られた「秋」。ざっと黙読した時は「芥川というより武者小路?」と思ったのですが、朗読で作られた世界は、やっぱり芥川らしい深みが有りました。
「ごんぎつね」は可愛らしい絵本になっているものが多くありますが、今回は「生きていくことの重さ」を感じました。「ストーリーテラー南吉」を再認識しました。



2013年9月30日月曜日

コンサート:「京都市交響楽団 名古屋公演」 愛知県芸術劇場コンサートホール 9月23日(月・祝)14:30~

「京都市交響楽団 名古屋公演」
プログラム
デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲」 ギター:沖仁
アンコール:沖仁「フエゴ(炎)」

リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
ラヴェル:ボレロ
アンコール:ブラームス「ハンガリー舞曲第6番」

中々楽しい演奏会でした。フラメンコギターの沖さんの演奏はクラシックギターの演奏家とは違って即興的な感じがしました。そこが好みの別れるところとも思います。
ボレロは、トロンボーンも無事演奏され、あの曲の持つ高揚感がありました。オーケストラならではの音の厚みはやっぱり魅力ですよね。

「ヴェニスの商人」 さいたま芸術劇場大ホール 9月18日(水)13:30~

「ヴェニスの商人」
この話「嫌な話、シャイロックがかわいそう」という人が多い。私が10代の時見た「ヴェニス」も、最後はシャイロックの悲劇的表情で終わるのものでした。先年見たイギリス人の演出家のものはアントーニオに焦点をあてた物語になっていました。
「喜劇」に分類されているので、今回は???

個人的には今までの中で一番好きな「ヴェニス」でした。
まず、オールメールということで「喜劇性」を感じました。特にポーシャの中村倫也さんはなんともキュートで可愛い。好きな男のために全力を尽す「乙女の力」を感じました-他人の迷惑を考えない、ただひたすら好きな人が喜ぶことをしたい!-。
そして周りの大人たちのなんともその場しのぎのいい加減さ、身分の上の人にはへつらい身分の下のものは完全に見下す、仲間同士の利益を最優先する打算的態度、シャイロック自身社会のそんな仕組みの中で上手く泳いでいる。その足元をひっくり返されるどんでん返しの驚き、くやしさ、不条理感が上手く伝わったと思います。
ただ、いつも思うのですが、娘のジェシカの扱いはどうなんでしょう?彼女は結構かる~い考えなしの娘だと思うのです。親のことは嫌い、恋した男と駆け落ち、その男と言うのも結構チャラ男ですよね。一種の世代断絶が有るハズ(身分の違いと同時に)。それがあれば、シャイロックのアントーニオやバッサーニオとの証文にこだわる頑固さがより一層鮮明になるのでは??
なんて思ったりします。

幕切れは素晴らしいの一言。ヴェニスの商人たち-キリスト教徒-の残酷さが浮かび上がります。「忠臣蔵」も高師直視点の演出有り???かぁ???



舞台:「九月花形歌舞伎-新作陰陽師~滝夜叉姫」 歌舞伎座 9月17日16:30~

新作「陰陽師 滝夜叉姫」
花形歌舞伎ということで、チケット取りに苦労しました…。どうにか3席連番で取ることができホット一息。
新作歌舞伎は結構リスキーなんですが(「愛蛇姫」とか?「りびんぐでっど」とか?)、今回は??

う~ん、全員「ニン」なんですけど、なんだか消化不良というか…。各地の名産・特産品を集めて豪華に作られたよく判らない料理???
特に1幕はよく判らない…長いよぉと思ってしまいました。各駅停車の「☆新○線」 ???
2・3幕物語が進むので結構楽しめました。
中でも2幕目第1場は素敵でした。京都の荒れ庭のしっとりとした秋の風情、男同士の友情・微妙な会話、そして跳ねる狐…、すべてがゆるやかな時間の流れを感じさせる素晴らしい表現でした。

今後も「新作」が有るのでしょうが、磨き上げる工夫はどこにあるのか?一観客である私にはよく判りませんが、なんとか新しく楽しい歌舞伎を作っていただきたいと思います(ちなみに「十二夜」は原作がシェイクスピアということ-17世紀の戯曲-も有るのでしょうが、とても「歌舞伎」っていう印象が有りました)。

開演前に新しくできた「歌舞伎座ギャラリー」拝見。いろいろ趣向があって楽しかったです。3F席後方からの見学もできて-私たちが伺った時は昼公演終了後でしたが-、臨場感を楽しめます。また機会があったら行こうかしら。
 


舞台:「蝶々夫人」 愛知県芸術劇場大ホール 9月16日(月・祝)15:10~

「蝶々夫人」
台風の影響で開演時間が10分押しました。(でも、台風通過の当日でなくて良かった!)
有名な作品ですが、初見。とても素晴らしい「物語」になっていました。
まず障子をイメージした装置が素晴らしい。障子の動きが場面転換になっていて、室内空間と外空間を 微妙に繋ぐ日本家屋の美しさを感じさせてくれました。合唱の人々の動きも美しく、雅な華やかさとその裏にある移ろいやすさを伝えていました。
ところで、野田地図「THE BEE」で「ハミングコーラス」が使われていた意味を初めて知りました!「ハミングコーラス」の音楽は、2幕2場の前だけでなく、2幕1場の、シャープレスが手紙を読む場面に伴奏して使われているんですね。哀しい内容の手紙を巡るやり取りのバックに流れる美しいメロディー…。「THE BEE」のあの無残な手紙のやり取りのバックに流れる「ハミングコーラス」の意味が深まりました。
八百屋舞台だったので、歌手の方々は大変だったろうと思いますが、アリアも美しく心に響きました。久しぶりのオペラでしたが、オペラって良いなと思えた公演でした。

ちなみに、事前3回のシリーズトークはとても面白かったです(学芸員の友人が、展覧会でも講演会は面白いから参加してねといつも言われているのですが、ちょっとした知識によってより楽しめますよね)。今回は、使われている日本の曲が、取り出して聴くといつも「そうかぁ」と思うのですが(「蝶々夫人」は有名なので、よく鑑賞の手引き番組で聴くことがある)、実際の公演でしっかりそこが判ったのが嬉しかったです。理由は、音楽だけでなく視覚に訴える舞台演出との絡みがあってこそのオペラということでしょうか。総合芸術「オペラ」を再認識しました。
10月には「魔笛」に行く予定。来年春にはオペラ鑑賞のために東京遠征予定。


映画:「キャプテンハーロック」 109シネマズ名古屋 9月12日(水)15:00~

「キャプテンハーロック」

3Dで観ました。全体的に暗い画面なので…視力が良くない私は結構「シクシク」になりました。
画面は、FF10(だったかな)を思い出し、なんだか懐かしい気分になりました。


2013年8月31日土曜日

舞台:「やさしさの万華鏡~新美南吉の世界へ~」 hitomiホール 8月26日(月)13:30~

「やさしさの万華鏡~新美南吉の世界へ~」
プログラム
「飴だま」
「花のき村と盗人たち」
「手袋を買いに」
「うた時計」

男女二人の俳優さんによる語り芝居でした。二人で 語られるので、朗読より立体的に聞こえましたし、お芝居が入るので視覚的な情報も多くなり、子どもさんには楽しい催しでした。
「飴だま」「手袋を買いに」は、ストーリーテリングでも何度も聴いた作品。その時とは違う味わいがありました。
ストーリーテリング、朗読、語り芝居…色々な表現が有るという事を再認識しました。



コンサート:「piu epiu」 5/Rホール 8月25日(日)14:30~

「piu e piu」
プログラム
倉田高:日本人形
メンデルシゾーン:無言歌 ニ長調 Op.109
バッハ:無伴奏組曲第2番ニ短調よりプレリュード
ソッリマ:アローン
サン=サーンス:白鳥
 エルガー:チェロ協奏曲ホ短調作品85より第3,4楽章

新進のチェロ演奏家のコンサート。若々しい演奏が魅力的でした。

映画:「少年H」 ピカデリー 8月22日(木)9:40~

「少年H」
原作の本が話題になったのは10数年前…だったかしら?読みませんでした…すみません。
ということで、映画に行ってきました。
う~ん、太平洋戦争前後の神戸の風俗という点では興味深いものがありますが、「少年時代」ほど感動しませんでした。どこが違うのか???また、「少年の思い出 」という点でも、ままごとの豚う作品の方が「何か」を残してくれました。どこが違うのか????
悪い作品ではないと思うのですけど……。


コンサート:「酒井淳チェロリサイタル」 宗次ホール 8月20日(火)18:45~

「酒井淳チェロリサイタル」
プログラム
ベートーヴェン:ヘンデルの「ユダス・マカベウス」の主題による変奏曲WoO.45
J.S.バッハ:無伴奏曲第3番ハ長調BWV1009
フォーレ:エレジー 作品24
       シシリアーヌ 作品48
ヴィエルヌ:異国の夜景 作品56より
       Ⅰ.グラナダ
       Ⅱ.レマン湖のほとりで
       Ⅲ.中国の魚
サン=サーンス:動物の謝肉祭より「白鳥」
          アレグロ・アパショナート 作品43

パリ在住のチェリストの方のリサイタル。ヴィエルヌが素敵!でした。フランスの美しい作品をまた聴かせていただけると嬉しいです。

2013年8月20日火曜日

舞台:「日本の大人」ままごと あいちトリエンナーレ作品 愛知芸術劇場 8月11日(日)15:00~

「日本の大人」ままごと
「わが星」を見た時、かなり一気に引き込まれました。チャンスがあればと思っていたので、あいちトリエンナーレで公演されるとなれば、絶対行かねば!と思いました。
4人の俳優さんによって演じられる小学校生と32歳になった今。どこか懐かしく、そして本当かウソは判らない想い。「永遠に続く日常」というのは某研究者が提唱しているキーワードですが、確かに20年前と今、どこが違っていてどこが同じなのでしょう。
昨年観た「楽園」(モダンスイマーズ)も同じような題材でしたが、あの「苦い想い 」はこの作品にはありません。
多分「楽園」では今の自分のやりきれなさの比重が高いのに対して、「日本の大人」では子どもが持つ潔さが前面に出ているせいでしょうか。
もう一度観劇しても良いかとも思ったのですが、時間のやり繰りが付かず残念!またどこかで、ままごとの作品を観たいと思います。



2013年8月10日土曜日

舞台:「子供のためのシェイクピアカンパニー-ジュリアス・シーザー」 愛知県芸術劇場小ホール 8月3日(土)18:00~

「ジュリアス・シーザー」
「ジュリアス・シーザー」を初めて見たのは、チャールトン・ヘストンがアントニーを演じた映画。中学生か高校生の頃。そして、久しぶりに2月に「塀の中のジュリアスシーザー」を観たのでした。両方とも映画なんです。ナマの舞台で観たのは今回が初めてでした。
怒涛の2時間休憩なしということは、映画と同じ???
エンタメ的に 楽しめましたが、ローマの元老院の人々の区別が…若干苦しかったです。まぁ、これは一種の早変わりのお楽しみなのかもしれません。
でも、ブルータスとアントニーの演説で民衆の意見がひっくり返るところは、もっとしっかり見たいかも。というのも、映画「ヘンリー五世」でのアジンコートの演説で兵士たちの気持ちが変化し、そして観ているこちらの気持ちが昂るという経験をしたから。民衆が、ブルータスの言葉に寄り添い、そしてアントニーの言葉で変わっていく。その「言葉の威力」を感じることがこの芝居の醍醐味だと思うからです。
物語自体はきちんと伝わりましたし、ダレる間も無くサクサク進むので面白かったですが、その分人間の迷い、愚かさが薄まったような気もしました。
シェイクスピアの演劇では、民衆を扇動する「言葉の力」、人の心を揺さぶり混迷へと陥れる「言葉の魔力」をとても上手く描いている作品が多くあります。「言葉、ことば、コトバ」その力を感じたい!
来年は「ハムレット」とのこと。まさに「言葉」です。楽しみにしています。


2013年7月26日金曜日

映画:「SHORT PEACE」 ミッドランドスクエアシネマ 7月25日(木)14:05~

「SHORT PEACE」
オープニングアニメ+4本のショートストリー作品、「九十九」「火要鎮」「GAMBO」「武器よさらば」。最近絵巻物に嵌っているせいもあり、「火要鎮」が一番気にりました。他の作品もそれぞれ特徴があって面白かったです。「武器よさらば」は漫画でも好きな作品です。
夏はアニメ映画がたくさん上演されますが、子供向けだけじゃない作品も上演されると面白いですね。見ることはでなかったのですがスペインの「しわ」という作品も見たかったです。




展覧会:「こねこのぴっち絵本原画展」 教文館ウェンライトホール」 7月23日(火)夕方

「こねこのぴっち絵本原画展」
歌舞伎座を出たら、大雨。地下道を伝って、銀座まで行きました。
『こねこのぴっち』は娘のお気に入り作品。その原画を観に教文館9Fへ。
ほとんどが版画なのですが、手彩で色が入れられていて、バランスが良い作品ばかり。ぴっち近年手帳をはじめたくさんのグッズが作られているのですが、これは原画の魅力が溢れています。
6Fのナルニアホールではリト作品を販売しているのですが、これは魅かれますね。 結構大きな作品ですが、動物病院の待合室に飾られるなら素敵だなと思う作品もありました。

また、9F会場でスライド上映されいる壁画作品についている説明が興味深い。学校の壁画を制作するときは子どもたちと一緒に作ることが大切だったとのこと。語りかけるような彼の作品の本質を物語る言葉でした。


展覧会:「レオ・レオニの絵本のしごと」 ザ・ミュージアム 7月22日(月)午後

「レオ・レオニの絵本のしごと」
『あおくんときいろちゃん』で有名なレオ・レオニ。アラサー世代には教科書に載った『スイミー』が有名でしょうか。
絵本というのは印刷されることを考えて作られます。原画を観て感激するのは、その絵本を読んだ思い出を重ね合わせるからです。絵としての評価とはまた別の要素を多分に含んでいるのです。
レオ・レオニはグラフィックデザイナーですから、そのデザインセンスは素晴らしい。コラージュの材料選びにセンスのも凄い。じゃ、この原画を購入して壁に飾るか???はまた別の問題。
そして、印刷で成功するというのは、グッズ製作で成功することに繋がるという事が、会場のグッズ販売部を見てよ~く判りました。とにかく「可愛い!」のオンパレード。どれも欲しくなる!持ちたい!そんなものばかり。「グレコ展」で、買うものが無い状態になったのとは大違い。どれもこれも欲しい気持ちになるのです。

展示の中に、ネズミのパーツを作ってストックしたものが籠に入れられて展示されていましたが、その何気ない形の持つ正確な比率・丸みは、やはりデザイナーが無意識のうちに計算しているものなのでしょう。グッズ販売会場で、販売の方が飾り付け用に作られたらしいネズミのコラージュが一目でレオ・レオニのものとは違うという事は、簡単そうで難しいデザインの奥深さを表していました。


2013年7月25日木曜日

舞台:歌舞伎「加賀美山再岩藤」 歌舞伎座 7月23日(火)11:00~

「加賀美山再岩藤」
新装歌舞伎座に行ってきました!地下の木挽町広場の人人人…。これは凄い賑わいです。歌舞伎座ギャラリーや屋上庭園は、秋以降かしら?と思ってしまいました(案外空いているのか?)。
さて、この演目、元々の話は下敷きになっているので、それを知らないと…とも思ったのですが、いかにも歌舞伎らしい見せ場が用意されている作品でした。その意味では、「通し狂言」となっていますが、話の筋は結構無理やりかも…。また、古風な感じをとても受けたのは何故?
でも、とにかく美しかったです。彩といい、登場といい、仕草といい、形が決まって綺麗でした。
志賀市役の玉太郎さん、とっても可愛い、そしてお琴も上手。こういう子役さんに出会えるのも歌舞伎ならではです。
夜の部も見たかっらですが、今回の遠征はこれにて終了。また、秋に歌舞伎座に行きたいです。

舞台:「盲導犬」 コクーン 7月22日(月)19:00~

「盲導犬」
唐十郎の作品は、あのセリフの美しさが好き。「盲導犬」は伝説の舞台と言われているらしいので、見逃すことはできない!と出かけました。
事前に想像していたのと…違った!結構笑える作品ではないですか!もっと深刻な内容だと勝手に思っていました。でも、そこが良かったです。どこか遠い世界-特に音楽のレトロ感が素敵-がゆっくりと近づいてくる印象。まるで陽炎を観ているように感じました。
ところで、娘を一緒に見たのですが、彼女たちの世代にとって、盲導犬=レトリーバーなのです。ですから、盲導犬(完全な服従)であるシェパード犬→オオカミ→不服従の野生、という連想が今の時代ちょっと苦しいかも…。
個人的には先日『ベルカ、吠えないのか?』を読了したところなので、「犬」について色々考えることができて面白かったです。出演の犬たち、頑張って!


コンサート:「バッハコレギウムジャパン」 しらかわホール 7月22日(日)14:00~

プログラム
鈴木雅明(指揮)
JOANNE LUNN(ジョアン・ラン)(ソプラノ)
ROBIN BLAZE(ロビン・ブレイズ)(カウンターテナー)
WOLFRAM LATTKE(ヴォルフラム・ラトゥケ)
(テノール)
RODERICK WILLIAMS(ロデリック・ウィリアムズ)
(バス)
バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱と管弦楽)
[プログラム]
J.S.バッハ:
《破れ、砕け、うち壊て》 BWV205 (鎮まりしアイオロス)
《鳴り交わす絃の相和せる競いよ》 BWV207

バッハの世俗カンタータ の演奏会。
やっぱり人の声っていいですね。心温まる気持ちになれます。柔らかい楽器の音も素敵。また、機会が有ったら聴きに行こうと思います。

映画:「25年目の弦楽四重奏」 伏見ミリオン座 7月18日11:55~

「25年目の弦楽四重奏」
室内楽では、弦楽四重奏が好き。それぞれの主張に基づく緊張感が素敵。
この映画では、演奏自体より四重奏という形が作る人間関係が主。緊密でありながら壊れそうな微妙な関係が描かれています。そこが面白かったです。
追いかけても決して追いつかない「フーガ」という名が、この弦楽四重奏団につけられているのは象徴的です。